2001 Fiscal Year Annual Research Report
アメダス気象データを用いた畑地用水計画のための基準蒸発量算定システムの作成
Project/Area Number |
11660243
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三浦 健志 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (60127587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸泉 利嗣 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (60230174)
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Keywords | アメダス / 畑地用水計画 / 蒸発散量 / 蒸発散位 / ペンマン式 |
Research Abstract |
畑地用水計画の重要な基礎諸元である基準蒸発量は,気象データからペンマン式により算出される。気象庁の気象データ収集システムであるアメダスは,1974年に運用が開始され約20年間のデータの蓄積がある。ペンマン式の計算に利用できる気温,日照時間,風速等を測定している観測所は全国で約840カ所ある。アメダス気象データのように多地点の長期間にわたるデータの中から得ようとする情報を引き出すには多大な労力が要求される。その労力軽減のため,本研究ではアメダス気象データ格納データベースを構築し,必要情報を分布図として表示するソフトを作成した。アメダス時日別データ収録CDROM1枚には1年分のデータが納められており,ハードディスク上に作成したデータベースに,1976年以降の全データを複写収録した。データベースのサイズは2000年までで約10Gバイトとなっている。データ抽出描画プログラムはVisual Basicで記述し,対象とする観測地点,気象要素,期間を選択することにより,期間内平均値,合計値そしてペンマン式により基準蒸発量を計算して,結果をデータファイルへ出力し併せて等値線図ないしプロット図を描くものである。地図の海岸線データは国土地理院発行の数値地図から取り出し処理加工して使用している。 蒸発散量を推定するにはペンマン式により計算した基準蒸発量に作物の種類と生長段階により異なる係数すなわち作物係数をかける必要がある。我が国では信頼の置ける作物係数のデータが少なく,データ蓄積を図る必要がある。研究代表者は今までに種々の圃場で微気象法により蒸発散量の測定を行ってきており,その結果を作物係数として整理した。併せて純放射量推定式を水田等での放射収支の実測値を元に検討を加えた。 本研究で得られた研究成果は研究成果報告書にまとめており,学術雑誌等へは順次発表してゆく予定である。
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[Publications] Takumi Kishida, Toru Iwata, Takeshi Miura ほか6名: "Factors affecting the diurnal variation of carbon dioxide concentration in standing water in a rice field"Jurnal of Agricultural Meteorology. 57巻3号. 117-126 (2001)
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[Publications] 三浦健志, 高橋良人: "渦相関熱収支法による水田からの蒸発散量の測定"平成13年度農業土木学会大会講演会要旨集. 86-87 (2001)
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[Publications] 原田 昇, 三浦健志: "微気象法のよる白菜畑からの蒸発散量の測定"第56回農業土木学会中国四国支部講演会要旨集. 122-124 (2001)