1999 Fiscal Year Annual Research Report
有明海浅海及び沿岸低平地の生産環境と有効利用に関する研究
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11660246
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
甲本 達也 佐賀大学, 農学部, 教授 (60038304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 隆明 佐賀大学, 農学部, 助教授 (20039332)
取出 伸夫 佐賀大学, 農学部, 助教授 (70212074)
瀬口 昌洋 佐賀大学, 農学部, 教授 (20093974)
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Keywords | 有明海 / 浅海干潟 / 堆積機構 / 水田土壌 / 透水性 / 箱型基礎工法 / 沈下制御 / 農用履帯型車両 |
Research Abstract |
研究代表者の甲本は、佐賀県白石町の水田跡地において試験的に施工した地盤改良工作による箱型基礎工と床版型基礎(いずれもサイズは7.4m×7.4m、深さはそれぞれ、4mと1m)の載荷試験結果を用いて、両基礎工法の沈下制御効果の解析を行った。実験によると、箱型基礎工法は床版型基礎工法の場合より沈下量を約1/2に制御できることが明らかとなった。また、FEM解析結果からもこの実験結果を裏付ける結果が得られた。 分担者の瀬口は、干潟土の堆積機構を室内モデルを用いて解析した。とくに、干潟形成過程の中でも最も重要な要素である、波と流れの共存場における底泥の巻き上げ現象について検討した。その結果、共存場の定常流成分に対する底面波動境界層付近のセン断応力の理論界及びその分布性と共存場の物理的パラメータとの関連性が明らかとなった。 分担者取出は、水田土壌の物理学性について検討した。土壌の透水性と土中の溶液濃度及び組成との相互関係を調べるために、高膨潤性のベントナイトと低膨潤性の有明粘土及び粘土・砂混合試料を対象に、NaClとCaCl2の混合溶液の濃度を段階的に減少させる飽和浸透実験を行った。透水係数の低下には、粘土の種類、溶液濃度、Naの吸着割合に応じて異なる機構のあることが明らかとなった。 分担者松尾は、水田における農業用機械の安全走行性に関し、農業用履帯型車両のゴム履帯の走行抵抗について検討した。静力学に基づく履帯の走行抵抗解析及び実験によれば、転輪荷重による履帯の変形特性が転動抵抗の発生要因に大きく影響し、転輪荷重によって生じる履帯の転動抵抗は予測可能であることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Koumoto: "STABILIZED BOX FOUNDATION METHOD FOR SOFT GROUND"Roc.of Int.Conf.on Geotechnical & Geological Engg.. (発表予定). (2000)
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[Publications] 甲本 達也: "有明粘土地盤における箱型基礎工の設計・施工"低平地研究. No.8. 53-59 (1999)
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[Publications] 郡山 益実: "波と流れの共存場における底面波動境界層付近のセン断応力について"農土論文集. 204. 69-76 (1999)
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[Publications] 藤巻 晴行: "移流ランダムウォークモデルによる土壌中の溶質移動の解析"土壌の物理性. 91. 43-54 (1999)
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[Publications] Toride,N.: "Clay dispersion and hydraulic Conductivity of low and high swelling smectites"Characterization and Measurent of the Hydraulic Propertess of Unsaturated Porous Media. 507-516 (1999)
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[Publications] 取出 伸夫: "農地工学 第3版"文永堂出版(安富太郎、多田敦、山路永司編). 298 (1999)
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[Publications] Lei,F.J.: "Agricultural Drainage"American Society of Agronomy. 1328 (1999)