2000 Fiscal Year Annual Research Report
昭和60年代以降の消滅集落地図作成と消滅要因別集落特性に関する研究
Project/Area Number |
11660250
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
金木 健 石川工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (10042938)
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Keywords | 消滅集落 / 廃村 / 離村 / 過疎 / 山村 / 集団移転 / 集落移転 / 集落再編 |
Research Abstract |
1.ヒアリング調査により消滅経緯を分析し、類型的特徴の整理を行なった。 2.消滅理由が行政主導型の場合。長野県北安曇郡美麻村・小川村の事例調査の場合、道路建設の負担解消また冬季の除雪負担解消の手だてとして行政による集落移転事業が進められた。この地域の特徴として、第一に山間部に小集落が相対的に高密度分布していたこと、第二に地形的制約から田をもたない例が多く、米中心の農業政策から外れた営農状況にあったこと、などがあげられる。移転世帯に対する補助として移転住宅団地の建設が行われたが、そのほかの職業や生活の手当てはとくになく、農業の切り捨てとなっていることが多い。集落再編は拠点団地を建設し、再編対象集落から移転者を集めるという形態が多く、2つ以上の集落の集住形態が主である。戸建て住宅の団地形式で、入居世帯は毎月1万円10年間程度の支払いで個人所有家屋となる方式をとる場合が多い。転売されることを危惧して土地は払い下げないという方針をとる自治体もあり、居住改善意欲をそぐ点で問題もある。 3.消滅理由が就職地遠隔型の場合。岐阜県吉城郡上宝村の調査によると、山地の地形条件により集落に通じる徒歩道しかなかったこと(交通事情の困難さ)が特徴として観察された。消滅集落とその近くに位置する存続集落の明暗を分けた条件の違いなどを分析すると、存続集落の方はアクセス道路の改良が進み、通勤条件が格段に変化した状況が把握された。 4.他の類型に対しても継続調査中である。
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