2001 Fiscal Year Annual Research Report
昭和60年代以降の消滅集落地図作成と消滅要因別集落特性に関する研究
Project/Area Number |
11660250
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
金木 健 石川工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (10042938)
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Keywords | 消滅集落 / 廃村 / 離村 / 過疎 / 山村 / 集団移転 / 集落移転 / 水没 |
Research Abstract |
1.消滅要因別集落特性の分析を行なった。消滅集落の属性として標高・役場距離をYX軸としてとり地方的な特徴をみると、標高の高い中部山岳地域、役場距離の大きな北海道地方が両指標の先端に位置し、そのほかの地域はその中間に位置する。 2.消滅集落の属性のうち、実質的な空間的乖離指標といえる役場標高差・役場距離をYX軸にとると、標高差・役場距離いずれもやや大きい消滅集落の属する地域として四国地方・南近畿があげられる。過疎の先行地中国地方は、相対的にいずれの指標ともそれほど厳しくはない位置にある。過疎がもっとも早く起こったといわれる中国地方については、この地域の過疎化が単に役場所在地との「空間的」乖離ということだけではなく、その時代の杜会的・経済的圧力により進行したという示唆を与えるものと考えられる。 3.消滅理由別にみると、役場標高差・役場距離をYX軸とした場合、両指標が厳しい位置にプロットされるものからあげると、[E家族維持困難型][D就職地遠隔型][B自然災害型][C積雪型][A行政主導型]の順になる。空間乖離の厳しさと消滅理由の関連付けが見出されたと考える。 4.集落が消滅した後、集落へのアクセス道路も消失している場合の事例を検討した。全体としては17%の比率でアクセス道路が消失している。地域的には西日本で全般的にやや高い。アクセス道路の消失率は、空間的には標高・標高差の大きい消滅集落ほど大きい。しかしある期間が経過すると、標高・標高差にあまり関わらず2割程度まで道路の消失が進行するといえよう。
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[Publications] 金木 健: "消滅集落と市町村役場との空間的位置関係およびアクセス道路の消失について"農村・国土計画論III-2000年度活動報告-. 85-90 (2001)
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[Publications] 金木 健: "消滅集落と市町村役場との空間的位置関係について(消滅集落に関する研究そのII)"日本建築学会北陸支部研究報告集. 第44号. 327-330 (2001)
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[Publications] 金木 健: "消滅集落と市町村役場の空間的位置関係およびアクセス道路の消失について-消滅集落に関する研究 そのII(2)-"日本建築学会 学術講演梗概集 2001年度大会(関東). E-2. 625-626 (2001)
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[Publications] 金木 健: "戦後日本における消滅集落について"農村・国土計画〜住民主体の地域づくりのための空間計画論〜. 96-117 (2002)