1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11660254
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
飯本 光雄 千葉大学, 園芸学部, 教授 (90009324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷野 章 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (70292670)
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Keywords | 太陽光 / 発電 / 施設栽培 / エネルギー利用 |
Research Abstract |
太陽電池パネル(LD361J24,京セラ)を地上15面,傾斜角35度,南向きに設置した。電流-電圧特性および出力-電圧特性は,太陽電池パネルと接続した可変抵抗の低抗値を変化させ,そのときの電流および電圧を測定することで求めた。同時に,パネル面入射目射量と気温を測定した。測定は日射量および気温(17℃)の急激な変動の少ない快晴日の午後,日射量の経時変化を利用し1000,800,600,400および200W・m^<-2>の5条件,および気温の異なる別の日(12℃)に同一の日射条件で5条件の計10条件で行った。次に無負荷状態,可変抵抗の抵抗値を5,10および15Ωで固定したときの日射量の変化にともなう電流および電圧の経時変化を測定した。ただし,無負荷状態における電流(短絡電流)および電圧(開放電圧)は,同条件で設置した2枚の太陽電池パネルを用いて測定した。 電流-電圧特性および出力-電圧特性において,日射量の変化に強く影響を受けるのは電流であり,電圧は日射量1000から200W・m^<-2>とおよそ5倍の差があるにもかかわらず電流ほど大きな変化を示さなかった。また異なる気温において,気温が高いほど電流は増すが,逆に電圧は低下した。800-1000W・m^<-2>という高日射条件において,気温12℃の時に出力が高く推移していたことから,素子温度は気温12℃では気温17℃の時よりも最適素子温度である25℃により近かったものと考えられる。最大出力を与える電圧が定格出力に比べて低く推移した原因には,太陽電池と負荷を結ぶリード線や計測器の内部抵抗による電圧降下が考えられる。このことは太陽光発電システムの設計に際し考慮すべきことであり,負荷および蓄電池必要容量の計算には測定により得られた最大出力を用いることが望ましいといえる。パネルの定格出力である最適動作電流(1.14A)および最適動作電圧(16.7V)から最大出力が得られる負荷の抵抗値は11.6Ωと算定される。太陽電池の持つ最適動作電流および最適動作電圧から使用する負荷を選定することは,最大出力を与えるだけでなく,多少の日射量変化(800-1000W・m^<-2>)にも影響を受けず安定した発電量を与えるものであると推察される。特に,蓄電池やインバータを介さず直接太陽電池と負荷を接続して使用する場合,重視するべき点である。
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