1999 Fiscal Year Annual Research Report
環境保全型農業のための機械的除草作業の自動化-再生紙の液状化塗布による雑草防除システムの開発-
Project/Area Number |
11660258
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
岩崎 浩一 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (90232652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末吉 武志 鹿児島大学, 農学部, 助手 (40305165)
宮部 芳照 鹿児島大学, 農学部, 教授 (30041643)
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Keywords | 環境保全型農業 / 除草 / 再生紙 |
Research Abstract |
環境負荷の小さいマルチ資材としてダンボール再生紙などを利用したシートが開発されている.本研究では,この再生紙をシートとしてではなく水と混合した液状とし,ほ場表面に塗布することにより雑草の発生を抑制するシステムを開発するため,葉だいこん種子を用いた出芽実験を行い,以下のような結果を得た. 1 新聞紙塗布区では,粗粒で塗布量の最も多いC区で抑制効果は最も大きかった.しかし,その他の処理区ではほとんど出芽抑制効果は見られなかった. 2 ダンボール塗布区では,細粒ダンボールB区で12%,さらに塗布量の最も多いC区で出芽率が6%と良好な出芽抑制効果が見られた.しかし,その他の処理区では出芽抑制効果は小さかった. 3 液状再生紙の繊維長さと乾燥後厚さは,新聞紙の場合,細粒,微粒で繊維長さが短い範囲に集中しており粗粒との差が大きかった.ダンボールでは,粗粒,細粒,微粒でそれぞれ異なる分布を示していた.乾燥後の再生紙厚さは,粗粒新聞紙では塗布量が多くなるにつれて乾燥後厚さも厚くなる傾向を示した.ダンボールの場合には粗粒,細粒とも塗布量が多くなるにつれて乾燥後厚さも厚くなる傾向を示した. 4 出芽抑制効果を得るためには,繊維長さもある程度保たれていて,繊維同士がからみやすい1.5mm程度に粉砕すること,ならびに,乾燥後厚さが2.0mm程度となるように均一に塗布する必要があると判断された. 5 市販の塗布用ノズルを用いて、塗布状態を観察したところ、細粒または微粒においては、塗布可能であることが判明したが、粗粒状態では詰まりが生じるためノズル部分の改良が必要であると判断された。
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