2000 Fiscal Year Annual Research Report
放牧家畜が採食時に費やす牧草の破断エネルギーに関する研究-ウマとウシの比較
Project/Area Number |
11660264
|
Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
本江 昭夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (30091549)
|
Keywords | 上顎切歯の退化 / 採食戦略 / 破断強度 / サフォーク種 / ヒツジ / オーチャードグラス / チッソ施肥 / 採食ボード |
Research Abstract |
反芻動物は上顎の切歯が退化しているが、この特徴が採食戦略のうえではどのように優れているのかを明らかにするために、平成12年7月27日〜8月11日に実験を行った。使用した家畜は、サフォーク種の去勢雄のヒツジ3頭(平均体重35kg)である。家畜に採食させたオーチャードグラスのN施肥量は、0、10、20kg/10aである。実験には、3方向ロードセル5個を取り付けた採食ボードを作成した。密度とN施用量が異なるオーチャードグラス葉身を採食ボードに取りつけ、ヒツジ3頭に採食させた。 低密度区では、水平方向が向側の荷重を用いた割合は53〜59%であったが、高密度区では65〜72%であった。高密度のように多数の葉身を採食するには、ヒツジは下顎切歯を効率よく使うために、向側の荷重を多く用いていた。1つのポイントで観察した荷重の最大値を比較すると、合計荷重は、向側への力を使って採食した時は2.01〜2.26kgであったのに対して、手前への力を使って採食した時は2.63〜2.65kgであった。この結果は、ヒツジは向側への荷重を使った場合、下顎切歯を効率よく使い、そのために小さい荷重で牧草を採食していることを示していると思われる。このような解析は3方向ロードセルを使用したために可能となったことである。1gのDMの採食に使用した荷重は、葉数の密度の影響が大きかったが、N施用の影響はほとんど認められなかった。1gのDMの採食に使用した荷重は、平均すると、低密度区で75.2±5.67kg/g-DM、高密度区で41.2±3.27kg/g-DMであった。また、実験に使用したサフォーク種去勢雄のヒツジ3頭の平均体重は35kgであった。密度とN施用量の影響は見られなかった。すべての処理区を平均すると、採食に使用した荷重は体重の5.0±0.13%であった。
|
Research Products
(1 results)