2000 Fiscal Year Annual Research Report
プロバイオティクス由来DNAモチーフによる感染防御系腸管免疫ネットワークの制御
Project/Area Number |
11660265
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北澤 春樹 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (10204885)
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Keywords | プロバイオティクス / サイトカイン / 腸管免疫 / 乳酸菌 / DNA / IFNγ / IL-12 / ブタ |
Research Abstract |
[目的] 近年,食品の有する生体調節機能に関する研究が盛んに行われるようになった.昨年度の研究で,ブタ腸管において未同定のIL-7をクローニングし,免疫修飾DNAの腸管免疫に対する賦活化作用を検討した.本年度は,乳業用乳酸菌由来の活性DNAモチーフの腸管系サイトカインネットワークの制御について解析することを目的とした. [方法] 乳業用乳酸菌および活性DNAの腸管パイエル板における通過と,免疫担当細胞への取り込みについてレーザー顕微鏡およびフローサイトメトリーにより解析した.さらに,乳業用乳酸菌およびDNAによるパイエル板細胞からのサイトカイン産生の誘導をRT-PCR法により調べ,CD抗原を指標としたフローサイトメトリーによりその標的細胞を分離・同定した. [結果] 乳酸菌および乳酸菌由来DNAは腸管上皮に付着した後,パイエル板に浸潤し,免疫担当細胞と接触することが明らかとなった.また菌体は30分以内に腸管上皮に付着し,1-2時間以内に粘膜下組織へ浸潤し,免疫担当細胞と接触,消化された.活性DNAモチーフはパイエル板細胞からのIL-7,IL-12,IL-18,IFN-γの産生を増強した.パイエル板細胞におけるIL-12産生細胞はB細胞,樹状細胞を含む複数の細胞集団であると考えられた.またIFN-γの産生誘導もNK細胞,樹状細胞等複数の細胞集団によるものであった. 本研究の結果から,乳酸菌由来DNAモチーフは,腸管パイエル板においてTh1系の免疫応答を誘導することが明らかとなった.
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[Publications] Ueha,S. et al.: "cDNA cloning and expression of swine IL-7 from neonatal intestinal epithelium."Biochim.Biophys.Acta.. 1517. 468-471 (2001)
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[Publications] Kitazawa,H. et al.: "AT oligonucleotides inducing B lymphocyte activation exist in probiotic Lactobacillus gasseri."Int.J.Food Microbiol.. (in press). (2001)