1999 Fiscal Year Annual Research Report
シロクローバの繁殖生態の解析と放牧草地の修復への応用
Project/Area Number |
11660269
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
澤田 均 静岡大学, 農学部, 教授 (10183831)
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Keywords | シロクローバ / 種子繁殖 / 放牧草地 / クローン植物 / 繁殖生態学 / 開花習性 / クローン成長 / 結実 |
Research Abstract |
シロクローバの体制変異の種子繁殖生態への帰結について解析した。以下の仮説を検証するために,典型的な大葉型品種と小葉型品種を使い標準環境試験法による実験を行った。(1)大葉型は小葉型より頭花サイズ,小花サイズが大きい。(2)大葉型は小葉型より1莢内粒数や種子サイズが大きい。(3)大葉型は小葉型より頭花の着生位置を広く分散させる。実験の結果,これらの仮説はおおむね支持された。特に頭花の着生位置の違いは顕著であった。大葉型は長いほふく茎から次々に頭花をだし広く分散させるのに対し,小葉型は1カ所に頭花を密生させる傾向にあった。この違いは,虫媒他殖による繁殖の成功度の相違をうむ可能性がある。一方,本実験とこれまでの研究成果から,シロクローバの種子関連形質の値が年次間で変動しやすいこと,この変動の一部が気象条件によることが確認された。 シロクローバの結実と種子サイズの関係について解析した。成果の第1はシロクローバの結実の特徴が,頭花全体では概して低いこと,頭花内の小花間では著しく変動することにあることを発見したことである。そこで次に,1小花内の結実率の大小と種子サイズの関係を解析した。その結果,1小花内の種子数とは無関係に,シロクローバがー定サイズの種子を形成する傾向にあることを確認した。これには,最適サイズの種子の数を最大化する意味があった。さらに,結実と種子サイズについて頭花内位置効果の存在することを確認した。以上の事実をもとに,シロクローバの種子生産への資源配分様式について,クローン成長との関連で考察した。
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Research Products
(1 results)