1999 Fiscal Year Annual Research Report
家禽卵黄膜ZPCタンパクの生合成と精子レセプター活性の制御機構
Project/Area Number |
11660280
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
森 誠 静岡大学, 農学部, 教授 (90143411)
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Keywords | ウズラ / 精子 / ZPC / 卵胞 / 顆粒膜細胞 / 排卵 / 卵子 / オビダクチン |
Research Abstract |
ウズラの卵黄膜内層の分子量33000のZPC様タンパクに着目し、このタンパクの生合成とその調節機構を解明するとともに、分子構造及び生理的機能も調べ、次のような結果を得た。 1)様々な組織からRNAを抽出し、ノーザンブロッティングをおこなった。その結果、卵胞顆粒膜細胞のみで分子量1.4KbのZPCメッセンジャーRNAが検出され、ZPC様タンパクは顆粒膜細胞が作っていることを明らかにした。また卵巣に存在する発育段階の異なる卵胞に含まれるZPC様タンパクをウエスタンブロッティング法で調べた。その結果、ZPC様タンパクは卵胞発育の最終段階で作られることを明らかにした。 2)顆粒膜細胞を卵胞発育段階別に各種ホルモンとともに培養し、ZPC様タンパク合成に及ぼす効果を調べ、濾胞刺激ホルモンとテストステロンを添加した場合、顆粒膜細胞でのZPCメッセンジャーRNA発現レベルが上昇し、ZPC様タンパクの合成・分泌量も有意に増加した。 3)卵黄膜内層に存在するZPC様タンパクは排卵前と産卵後で電気泳動の異動度が異なっている。N末端アミノ酸配列を解析したところ、排卵後に26アミノ酸残基が除去されたことが示された。最大卵胞の卵黄膜内層を卵管漏斗部に挿入したり、卵管漏斗部の抽出液とインビトロでインキュベーションしたりといった実験によって、排卵後のZPC様タンパクは卵管漏斗部から分泌されるオビダクチン様タンパク分解酵素によって修飾されていることを示した。 4)卵黄膜内層を精子とインキュベーションすると、卵黄膜内層に孔があく。その際に抗ZPC様タンパク抗体を添加すると、濃度依存的に孔の数が減少した。タンパク分解酵素の阻害剤の存在下では、抗体の添加によって卵黄膜内層への精子結合数の減少が見られた。これらの結果からZPC様タンパクは精子との結合に重要な機能を果たしていることがわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tomohiro Sasanami: "Involvement of MAP Kinase in TGF α-Stimulated Cell Proliferation in the Cultured Granulosa Cells of the Japanese Quail"Comparative Biochemistry and Physiology. 124・1. 19-25 (1999)
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[Publications] Tomohiro Sasanami: "Effects of Estradiol-1 7β and Testosterone on Progesterone Production in the Cultured Granulosa Cells of the Japanese Quail"British Poultry Science. 40・4. 536-540 (1999)
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[Publications] Tomohiro Sasanami: "FSH Enhanced Production of ZPC Homologue of Inner Perivitelline Membrane by Quail Granulosa Cells"Japanese Poultry Science. 36・6. 343-353 (1999)
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[Publications] Jianzhi Pan: "Inhibition of Interaction between Perivitelline Membrane and Sperm by Anti-quail ZPC Antiserum"Japanese Poultry Science. 36・6. 364-370 (1999)
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[Publications] Jianzhi Pan: "Characterization of Progressive Changes in ZPC of Vitelline Membrane of Quail Oocyte Following Oviductal Transport"Molecular Reproduction and Development. 55・2. 175-181 (2000)