2000 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳動物細胞における脱分化ならびに全能性獲得機構の解明
Project/Area Number |
11660286
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Research Institution | TOKYO UNIVERSITY OF AGRICULTURE |
Principal Investigator |
岩崎 説雄 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (50184867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 達之 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (90206756)
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Keywords | 核移植 / 脱分化 / 全能性 / 遺伝子発現 / GFP |
Research Abstract |
ウシ核移植に伴う体細胞の脱分化や全能性の獲得過程における遺伝子発現の特異性の解明を目的として、研究最終年度の本年は、レポーター遺伝子の調製、遺伝子導入細胞株の樹立、遺伝子導入細胞をドナーとした核移植胚の作出、核移植に伴うドナー細胞の遺伝子発現特異性の検討ならびに核移植に伴い特異的に発現する遺伝子の塩基配列の決定とホモロジー検索を行い、以下の成績を得た。 1.自家蛍光を発するGFPベクター(pEGFP-1)のEco RIおよびPstIの間の部位に、胚で発現が確認されているPGK(ホスホグリセリン酸キナーゼ)のプロモーター領域を連結し、レポーター遺伝子の構築し、HindIIIで消化して直鎖状にした。 2.GFPベクターをトランスフェクションしたウシ胎児繊維芽細胞のうち、2日後には34.5%、20日間の選抜後は54.9%の細胞でGFPが発現した。GFP導入細胞のみを選別し、継代培養してGFP導入細胞の細胞株を作製し、凍結保存した。 3.除核未授精卵子細胞質内に、GFP導入細胞を注入し、電気融合により作出した再構築卵子を卵丘細胞との共培養により体外培養した。 4.ドナー細胞、核移植直後から胚盤胞を蛍光顕微鏡での観察を行ったところ、融合直後の卵子ではドナー細胞のみが蛍光を発したが、1細胞期以降すべての細胞質でGFPの発現が認められた。
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