2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11660289
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
藤谷 英男 麻布大学, 獣医学部, 教授 (10120958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 賢 麻布大学, 獣医学部, 講師 (80271360)
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Keywords | フナ / 多倍数性 / 雌性生殖 / クローン / wee1 / RDA法 / DNA多型マーカー |
Research Abstract |
1 雌性生殖関連遺伝子の探索 3倍体(3n)フナが雌性発生できる大きな要因の一つは、卵成熟過程において第一減数分裂を回避していることにある。そこで、この分子機序解明への一環として、細胞分裂周期の制御因子として知られているWee1キナーゼに注目し、そのcDNAおよび遺伝子の単離を行った。ギンブナ卵巣からRNAを抽出し、既知のXenopusおよびマウスwee1のcDNA配列情報から設定したdegenerateプライマーを用いて、RT-PCRを行い目的の断片(750bp)を得た。塩基配列決定後、3´および5´RACE法を行いそのcDNA全長の塩基配列(ORF領域1578bを含む約1.9kb)を決定した。既知生物のWee1アミノ酸配列を基に系統樹を作成したところ、本配列は体細胞分裂型ではなく減数分裂型wee1由来であることがわかった。また、cDNAの3´および5´UTR領域の配列情報からプライマーを設定してゲノムDNAを鋳型にlong-PCRを行った。その結果、12個のエキソンを含む約6.3kbpの遺伝子断片を得た。 2 雌性生殖フナゲノムに特徴的なDNA領域の探索 国内4箇所から採集した多倍数性ギンブナ81個体をRAPD-PCR法による多型パターンに基づいて31のクローン系統に分類した。3nギンブナゲノムから2nギンブナゲノムをサブトラクション(RDA法)することにより得られた2種類のDNA分子は、ハイブリダイゼーション解析の結果、約80%のクローン系統の多倍数性ギンブナと調べたすべてのキンギョに共通して存在するDNA制限酵素多型マーカーであることがわかった。また、副次的ではあるが、キンギョゲノムをサブトラクションして得られた1種類のDNAマーカーも約80%のクローン系統の多倍数性ギンブナに存在している他は一部のキンギョにしか認められなかった。さらに、ある特定の3倍体ギンブナクローン系統と一部の2倍体にしか認められない多型マーカーも得られた。これら結果から、3nギンブナゲノムにおけるキンギョ祖先種ゲノムの強い関与と2倍体ギンブナゲノムとの共通性が示唆された。
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Research Products
(1 results)