1999 Fiscal Year Annual Research Report
神経毒性の発現と好神経性ウイルスの遺伝子発現調節因子:発生工学手法による解析
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11660291
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野 悦郎 北海道大学, 免疫科学研究所, 助教授 (00160903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原口 智士 北海道大学, 免疫科学研究所, 教務職員 (30312416)
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Keywords | トランスジェニックマウス / オーエスキー病ウイルス / ボルナ病ウイルス / 神経病原性 / 遺伝子発現調節因子 |
Research Abstract |
1.オーエスキー病ウイルスの全初期遺伝子産物のIE180のDNA結合ドメインとヒト単純ヘルペスウイルスのトランスアクチベーターVP16の結合ドメインとのキメラ蛋白遺伝子をマイクロインジェクション法でマウス受精卵に導入し、オーエスキー病抵抗性トランスジェニックマウスの作出に成功した。オーエスキー病ウイルスの感染実験で、感染した対照のマウスは100%死亡したのに対して、このTgマウスでは、約80%が感染に耐過し死亡することなく生存した。 2.ボルナ病発症病態モデルマウスの作製を目的として、中枢神経系でP遺伝子を発現させるためヒト及びマウスセロトニン受容体遺伝子、GFAP遺伝子およびオーエスキー病ウイルス前初期遺伝子プロモーターで駆動するボルナ病ウイルスP遺伝子をマイクロインジェクション法でC57BL/6マウス受精卵に導入し、トランスジェニックマウスの作製を試みた。ヒトセロトニン受容体遺伝子プロモーターで1匹、GFAP遺伝子プロモーターで3匹およびオーエスキー病ウイルス前初期遺伝子プロモーターで駆動するボルナ病ウイルスP遺伝子導入マウスが1匹得られた。 3.オーエスキー病ウイルスの転写調節因子EP0を自己の遺伝子プロモーターで発現させるトランスジェニックマウスの作製を試み、4匹のトランスジェニックマウスを作製することに成功した。IE180をテトラサイクリン制御プロモーターで発現させるトランスジェニックマウスは、現在作製中である。
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[Publications] E.Ono, T.Tasaki, T. Kobayashi, S.Taharaguchi, H.Nikami, I.Miyoshi, N.Kasai, J.Arikawa, H.Kida and Y.Shimizu: "Resistance to pseudorabies virus infection in transgenic mice expressing the chimeric transgene that represses the immediate-early gene transcription"Virology. 262(1). 72-78 (1999)