1999 Fiscal Year Annual Research Report
新しい血清レクチン(CBPb01)の生体防御機能に関する基礎研究
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11660292
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
首藤 文栄 岩手大学, 農学部, 教授 (60001533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森松 正美 岩手大学, 農学部, 助教授 (70241370)
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Keywords | キチン結合性タンパク質 / ウシ / IgM / 糖鎖 / Nーアセチルグルコサミン / 血清タンパク質 / オプソニン / ザイモサン |
Research Abstract |
これまで、非特異的生体防御では、オプソニン化・喰作用・活性酸素産生系の活性化機構が特に重要と考えられ、活性化因子やその機能が広く研究されてきた。オプソニン化・喰作用・活性酸素産生系は、血清中のC型レクチンと呼ばれる一群の血清レクチンにより活性化される。これに対し、申請者らは、最近、非特異的生体防御系の活性化系を抑制する新しい糖鎖結合タンパク質(CBPb01)を、ウシの血清中に見出した。この研究では、CBPb01の分子性状と機能について検討した。 1.精製と同定:既報の方法により精製したCBPb01をリシルエンドペプチダーゼにより消化し、3種類のペプチドについてその一次構造を解析した。一次構造の相同性から、CBPb01はIgMと同定された。 2.構成糖の分析:構成糖の種類をレクチンとの反応性により分析した結果、CBPb01はマンノース、Nーアセチルグルコサミンおよびフコースが検出された。 3.糖鎖親和性の解析:CBPb01の糖親和性をELISAにより解析した。CBPb01は、グルコース、Nーアセチルグルコサミンなどの単糖類より、スクロース、セロビオースなどの2糖類に対して高い親和性を示した。 4.好中球の活性酸素産生阻害:オプソニン化ザイモサンをCBPb01で処理すると、約40%の活性酸素酸性の低下が見られた。この阻害は、Nーアセチルグルコサミンの添加により解除された。 以上の結果から、CBPb01はレクチンではなく、Nーアセチルグルコサミンを認識し、好中球の活性酸素産生を抑制するするIgMであることが判明した。
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Research Products
(2 results)