1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11660297
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
根本 謙 徳島大学, 歯学部, 助手 (10218274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弘田 克彦 徳島大学, 歯学部, 助手 (60199130)
小野 恒子 徳島大学, 歯学部, 助教授 (40035514)
三宅 洋一郎 徳島大学, 歯学部, 教授 (80136093)
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Keywords | タンナーゼ産生菌 / 草食動物 / 腸内細菌 |
Research Abstract |
本年度の研究によって、以下のような成果を得た。 タンナーゼ産生菌の分離に関しては、国内の動物園に飼育されている霊長類からの分離を試み、葉食に特殊化した消化器系を持つコロブス類と、類人猿であるゴリラ、チンパンジーから、数株のタンナーゼ産生菌を分離した。グラム陽性菌、陰性菌がともに含まれ、グラム陽性菌はStreptococcus属であり、グラム陰性菌はKlebsiella属を含むことが確認された。現在、未同定で残された株も含めて種レベルの同定を進めている。今回、葉食、樹皮食を日常とする霊長類からもタンナーゼ産生菌が実際に分離されたことにより、同様な食性を持つ他の動物群からもタンナーゼ産生菌が分離されると思われ、引き続き霊長類を含めた種々の哺乳動物からタンナーゼ産生菌の分離を試みたいと考えている。 今回、Streptococcus属、Klebsiella属と言った比較的哺乳動物の腸管内に常在している確率の高い菌が見つかったことは、タンナーゼ産生菌の畜産学への応用という面でも、1つの大きな足掛かりになると思われる。これらの菌はタンナーゼ遺伝子を、家畜の腸管内から分離した近縁種に挿入、発現させてやることは、それほど難しいことではないだろう。さらにこの組み替え菌を宿主の腸管内に戻して定着させることも可能と思われる。この様な処置は、ブタ、ニワトリ等のタンナーゼ産生菌を持たないと思われる雑食性家畜で、豆科等のタンニン含量の高い飼料を使ったときの飼養効率を飛躍的に増大させるものと思われる。 現在タンナーゼ自体の解析としては、先にウマから分離した菌の産生するタンナーゼの性状分析を進めている。
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Research Products
(1 results)