2000 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウトマウスを用いたSox17遺伝子の個体レベルの機能解析
Project/Area Number |
11660306
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
金井 克晃 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30260326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 良博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90092303)
米川 博道 (財)東京都医学研究機構, 実験動物研究部門, 副所長(研究職) (30142110)
矢崎 和盛 (財)東京都医学研究機構, 超微形態研究部門, 研究員 (20124498)
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Keywords | Sox17 / 内胚葉 / ノックアウトマウス / 腸管形成 |
Research Abstract |
精巣決定遺伝子(SRY)のHMGboxと高い相同性を示すSox遺伝子群(Sry様のHMGbox)が、哺乳類から無脊椎動物まで幅広い種において同定され、様々な組織、細胞の分化、発生に重要な役割を担っていることが明かとなっている。我々が、以前単離したSox17の発現様式、個体レベルでの機能解析を行った。Sox17遺伝子の発現は、マウス初期発生過程においては、少なくとも6.5日胚から、既に近位内胚葉に認められ、その後、8.5日胚(体節形成期)では、内胚葉での発現は、胎盤形成領域と接した卵黄嚢、胚性内胚葉、その後、腸上皮細胞に維持されていることが明らかとなった。これらのことから、Sox17は、初期発生過程において内胚葉とその後の腸原基に発現しており、恐らく内胚葉形成に重要な役割を担っていることを示唆する。そこで、マウスSox17遺伝子の機能を明らかにすることを目的として、Sox17遺伝子ノックアウトマウスの作製を試みた。Sox17の翻訳領域(約3kb)をpgk-neoに置き換え、3′末にpgk-tkを挿入したノックアウトベクターを、W9.5ES細胞に導入し、200個のES細胞のスクリーニングを行ったところ、12種類の相同組み換えESクローンを得た。そのうち、3種類の路クローンについて、キメラマウスを作出、得られたキメラ雄マウスとB6雌マウスと交配し、2種類のクローンについてES由来のマウス作出に成功した。このヘテロ個体同士の交配によりSox17欠損個体の解析を行った結果、ホモ個体は、腸原基の胚性内胚葉の分化の異常により腸原基形成が阻害され、その後、下半身にのみ過度の発育障害により胎齢10日までに致死となることが明らかとなった。以上の結果から、Sox17は、胚性内胚葉の分化に必須の遺伝子であり、Sox17の欠損により、その後の腸原基の形成、下半身の発達にも異常をきたすことが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kanai-Azuma,M., et al: "Nrk : a murine X-linked NIK-related kinase gene expressed in skeletal muscle."Mech.Dev.. 89. 157-161 (1999)
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[Publications] Kanai,Y., et al: "Identification of a stromal cell type characterized by the secretion of a soluble integrin-binding protein, MFG-E8, in mouse early gonadogenesis."Mech.Dev.. 96. 223-227 (2000)
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[Publications] 金井克晃: "生殖腺の発生と性分化「妊娠の生物学」"永井書店. 77-86 (2001)