2000 Fiscal Year Annual Research Report
実験肺線維症動物におけるアンチプロテアーゼのミクロ2次元電気泳動法による解析
Project/Area Number |
11660318
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
坂口 和子 麻布大学, 環境保健学部, 講師 (40153879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 潤 麻布大学, 環境保健学部, 教授 (20075930)
赤堀 文昭 麻布大学, 獣医学部, 教授 (70063964)
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Keywords | 実験肺線維症動物 / アンチプロテアーゼ / ミクロ2次元電気泳動 / proteome解析 |
Research Abstract |
目的パラコート(PQ)により肺線維症が誘発される動物(ヒト、サル、ラット)と肺線維症が誘発されない動物(ウサギ)の存在が明らかになっているため、この動物種差の違いから生体内のコラーゲン増加に関与しているアンチプロテアーゼ(主にα1antitrypsin:α1AT,α-2macroglobulin:α-2M)蛋白をproteome解析の面から追求することで臓器線維症発現メカニズムの解明ヘアプローチする。本年度はラットとウサギにPQを投与後、α1ATならびにα-2Mの変動とその生物的意義を病態学的立場から明らかにする。 方法ミクロ2次元電気泳動(2D-PAGE)分析を用いて、PQラットならびにPQウサギの血清よりα1ATならびにα-2Mの変動を観察する。 結果ラット(Slc:Wister/ST、雄、6週齢)においては、7mg/kgの用量で毎日連続、9日皮下注射した。その結果、I群(体重減少で生存)において8日目で体重が増加はじめたラット(肺腺維症の開始)では、α_2M-4分子種とα_1ATにおいて正常値の1/3以下に減少が観察される一方、II群とIII群においてはα_2M-1分子種が正常に比較して増加が観察された。 一方、ウサギ(JW-NIBS、雄、4ヶ月齢)では、PQ投与群(I群:10mg/kg,II群:5mg/kg)に対し、対照群4匹を割り付けた。2日毎に6回皮下投与した。III群には生理食塩水を投与した。その結果、α_2M-1は、I群(10mg/kg)において4例中3例に3日目に増加し、残り1例は7日目に増加が観察されたが、11日目においては全例(4例)とも前値より明らかに減少した。α_2M-2は、I群(10mg/kg)において4例中3例に11日目に明らかに増加した。
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