2001 Fiscal Year Annual Research Report
水田農業の持続性とレッドデータ生物の再生を両立するための野外基礎実験
Project/Area Number |
11660324
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
日鷹 一雅 愛媛大学, 農学部, 助教授 (00222240)
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Keywords | 生物多様性 / 環境保全型農業 / 多面的機能 / 水田 / ビオトープ / 水田生態系 / 持続的農業 / 農業生態学 |
Research Abstract |
本研究における以下の2項目について、洲鷹研究などを行い最終年度として農業ビオトープ理論として取りまとめを行った。 1.レッドデータ個体群に関するフィールドワーク 最終年度は、初年度から継統してきたタガメ個体群の動態について、兵庫県の高密度生息地において調査を行い、データの再現性の確認を行った。またゲンゴロウCybister属については、タガメ同様の標識再捕獲法を駆使した詳細な個体群の時空問的動態に関する解析を行った。これらの調査から、タガメとゲンゴロウでは、水田、ため池、水路などの利用形態が若干異なること。メインの繁殖地は両種とも水田であることが判明した。 2.増殖要因解析実験 附属農場では不耕起、緑肥マルチングによる低投入持続型栽培法、現地では水稲とクワイの混作実験を行い、そこでのレッドリスト種の増殖の可能性を検討した。その結果、低投入栽培法では多くの水生昆虫の定着、増殖が促進され、水稲の収量も十分得られた。また、現地における水稲とクワイの温混作実験では、両作物の混作が可能であり、クワイはタガメ、ゲンゴロウともに産卵に利用された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 嶺田拓也, 日鷹一雅: "地域生物資源を活かした環境創造型農業開発のための附属農場生物目録-(2)その取り組みと植物データベースの構築-"愛媛大学農学部農場報告. 第22号. 15-20 (2001)
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[Publications] 日鷹一雅: "かつての水田の普通種の現状と再生"科学. 72. 92-94 (2002)
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[Publications] 嶺田拓也, 日鷹一雅: "水生植物相による香川県仲多度地方のため池群の類型化"水草研究会報. 74(掲載受理). (2002)