1999 Fiscal Year Annual Research Report
分泌系オルガネラの構造形成と機能発現における膜脂質の役割
Project/Area Number |
11660327
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松岡 健 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (40222294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 浩二 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (40203533)
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Keywords | 小胞体 / ゴルジ装置 / Sec22 / Bet1 / PI4・キナーゼ / 脂質 / 分泌系 / 脂肪酸不飽和酵素 |
Research Abstract |
本研究は、以下の3つの項目に関し研究を行うことにより、分泌系オルガネラの構造形成と機能発現における膜中のリン脂質の役割のついて研究を行っている。 (1) 出芽酵母脂肪酸鎖不飽和導入酵素欠失株を用いた膜脂質膜脂質中の不飽和脂肪酸量の改変時における蛋白質の小胞体からゴルジ装置への輸送に及ぼす影響の解析。 (2) 植物中での分泌経路での蛋白質輸送解析のためのマーカー蛋白質の同定。 (3) 膜脂質代謝系遺伝子の同定 (4) PI4Pの小胞体からの小胞形成への関与の検討 (1)に関しては、酵母の脂肪酸不飽和酵素遺伝子の低温感受性変異株を単離することにより脂肪酸不飽和度に変異を持つ酵母株の単離を進めており、現在までに9個の変異遺伝子候補を単離している。 (2)に関しては、アラビドプシスのSec22pとBet1pのホモログ(AtSec22p,AtBet1p)をコードするcDNAwoクローニングし、これらのタンパク質とGSTとの融合タンパク質を大腸菌を用いて生産し、生産したタンパク質を用いてこれらにに対するポリクローナル抗体を作製した。これらの抗体をもちいてAtSec22p,AtBet1pの細胞内局在部位の検討を現在行っており、現在までにAtSec22pのゴルジ装置への局在を示唆するデータを細胞分画法を用いて得ている。 (3)に関しては、3個のリゾフォスファチジン酸アシル転移酵素の候補遺伝子を酵母ゲノム中に見い出し、これらの遺伝子の単独破壊の作成を行ったが、いずれの遺伝子の破壊も致死ではなかった。現在、これらの遺伝子の多重破壊株が致死になるかを検討している。 (4)に関しては、酵母のPI4キナーゼPik1pとtwo hybrid法で相互作用することが見い出されており、sec23-11変異のマルチコピーサプレッサーであるSTS1が、sec23-11以外のsec23変異アレルに及ぼす影響の検討を行っている。
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