2000 Fiscal Year Annual Research Report
環境汚染物質モニター用メディエータ型生細胞固定化バイオセンサの開発
Project/Area Number |
11660331
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
三木 功次郎 奈良工業高等専門学校, 物質化学工学科, 助教授 (80259910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
直江 一光 奈良工業高等専門学校, 物質化学工学科, 講師 (00259912)
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Keywords | バイオエレクトロカタリシス / バイオセンサ / 電子伝達メディエータ / 環境汚染物質 |
Research Abstract |
キノン化合物などの酸化還元化合物(電子伝達メディエータ)存在下で、各種真核細胞を固定化した電極の電気化学的応答特性について、シアン化合物や除草剤等が与える影響について検討を行った。 1、シアン化カリウムによるパン酵母固定化電極応答の変化 シアン化カリウムを測定液に添加することにより、グルコース存在下におけるパン酵母固定化電極の電流応答は増大することが分かった。パン酵母懸濁液のNADHの蛍光測定から、この電流応答の上昇は菌体内NADH濃度の上昇によるものであることが示唆され、KCNセンサとしての可能性を示すものであった。 2、ピルビン酸センサによる酵母解糖系振動現象の機構解析 メディエータ型ピルビン酸センサを作成し、振動状態におけるNADHとpyruvateの双方の濃度情報を連続的に得ることにより、解糖系振動現象のダイナミズムを解析した。振動周期はADP濃度の上昇によるphosphofructokinaseの非線形的活性化が、NAD^+/NADH比の上昇によるADP除去系の活性化によって相殺されるまでの時間を反映していると考えられる。 3、黒カビ固定化電極の電気化学的応答特性 ビタミンK_3存在下における黒カビ固定化電極の応答特性について、4種類の黒かびを用いて検討を行い、それぞれの黒かびでほぼ同一の電流応答の傾向を示すことが分かった。応答電流の大きさは菌体の活性に依存するものと考えられる。 4、クロレラ固定化電極の光合成電流応答 クロレラ固定化電極を用い、ベンゾキノンやトルキノン存在下において光照射を行うと、光合成に伴う電流応答が得られた。除草剤であるDiuronをさらに添加すると、その濃度に応じて電流値の減少が見られ、光合成阻害を指標にした環境汚染物質の簡便なセンシングシステムとして用いることが出来ることが分かった。
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