2000 Fiscal Year Annual Research Report
合成脂質誘導体PEG-コレステロールによるカベオラ陥凹抑制の検討
Project/Area Number |
11670006
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Research Institution | Yamanashi Medical University |
Principal Investigator |
馬場 健 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (90208710)
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Keywords | PEG-コレステロール / カベオラ / エンドサイトーシス / オカダ酸 / アクチン / 脂質ラフト / CD59 |
Research Abstract |
本研究の目的は、脂質誘導体PEG-コレステロールの細胞形態、機能に対する影響を検討することである。本年度は新たに合成したビオチン化PEG-コレステロール(bPEG-Chol)とストレプトアビジン(SA)を用いて局所的に急激な膜ストレスを加えたときの細胞応答について検討し、以下の成果を得た。(1)K562細胞およびA431細胞をbPEG-Cholで処理し、4℃で蛍光標識SAと反応させた。洗浄後、37℃に加温し経時的に観察した。その結果、4℃ではbPEG-Cholは細胞膜全体に存在していた。加温すると、細胞表面から多数の微絨毛様突起が突出した。これらの微絨毛状突起はアクチン細線維を含んでいた。また、Latrunculin AやJasplakinolideなどのアクチン阻害剤で前処理した細胞では、微絨毛状突起形成は認められなかった。しかし、bPEG-Cholを架橋能のない抗ビオチン-Fab'抗体で可視化した場合は突起形成は起こらなかった。(2)オカダ酸処理により細胞内蛋白質を過リン酸化状態にしたK562細胞を用いて同様にbPEG-Chol/SA処理し、加温した時には、径5-10umの球状突起が形成された。蛍光抗体法および電顕的観察により、球状突起にはアクチンが凝集し、細胞内のビメンチンやミトコンドリアが集合していた。また、球状突起にはCD59やガングリオシドGM1などの脂質ラフトのマーカーが集合していたが、トランスフェリン受容体は集合していなかった。アクチン阻害剤により球状突起形成が阻害されたことより、突起形成には自由なG-F変換が必要であることが示唆された。さらに特異抗体によりCD59やガングリオシドGM1を架橋するとそこに球状突起が誘発されることより、細胞表面分子の凝集が何らかのシグナル伝達経路を介して細胞内に伝えられ、アクチン凝集と球状突起形成を誘発したと考えられた。
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[Publications] Xue M,Baba T,Terada N,Kato Y,Fujii Y,Ohno S: "Morphological study of erythrocyte shapes in red pulp of mouse spleens revealed by an in vivo cryotechnique"Histol Histopathol. 16. 123-129 (2001)
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[Publications] Ueda H,Baba T,Toriumi H,Ohno S: "Anionic sites in articular cartilage revealed by polyethylencimine staining"Micron. 32. 439-446 (2001)
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[Publications] Takeda M,Takayama I,Terada N,Baba T, Ward SM,Ohno S,Fujino MA: "Immuno-electron microscopic study of kit-expressing cells in the jejunum of wildtype and Ws/Ws rats"Cell Tiss Res. (in press). (2001)
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[Publications] Lamaze C,Dujeancourt A,Baba T,Lo CG,Benmerah A,Dautry-Varsat A: "Interleukin 2 receptors and detergent-resistant membrane domains define a clathrin-independent endocytic pathway"Molecular Cell. (in press). (2001)