1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11670007
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森泉 哲次 信州大学, 医学部, 教授 (70157874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 隆志 信州大学, 医学部, 助手 (50283247)
中山 淳 信州大学, 医学部病院, 講師 (10221459)
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Keywords | 神経細胞 / 細胞移動 / 細胞分化 / カルレチニン / ポリシアル酸 / ネスチン |
Research Abstract |
(A) 側脳室前端部には幼若な神経系前駆細胞が存在し、rostral migratory stream(RMS)を嗅球に向かって移動し神経細胞に分化する。RMS内に存在するcalretinin陽性細胞について、幼若なneuralmarkerであるnestin と幼若なneuronal markerであるとともに細胞移動に必須なポリシアル酸の結合したpolysialylated neural cell adhesion molecule(PSA-NCAM)の発現について調べた結果、(1)RMS内のcalrtinin陽性細胞は形態学的には神経突起のよく発達した双極性の細胞である(2)RMS内のcalrtinin陽性細胞のうち20.8%の細胞がnestinを、61.8%の細胞がPSA-NCAMを発現している等を明らかにした(Neuro Report,1999)。以上の結果から、RMS内のcalrtinin陽性細胞は成熟した神経細胞への分化の途上にあること、また発現率の相違から成熟した神経細胞への分化の過程ではじめにnestinを失い、次にポリシアル酸を失うものと推定された。(B) 神経細胞移動因子(chemotaxic and/or repellent factors)を産生する脳領域をスクリーニングする目的で、細胞移動のpathwayであるRMS周囲の脳領域(中隔野、線条体、側座核、前嗅核、嗅球)をそれぞれイボテン酸で損傷した動物を作成し、経時的にRMSの幅が拡大(細胞移動の停止がおこればRMS内に細胞が蓄積しRMSが拡大することが知られている)するかどうかについて検討した。その結果、いずれの損傷動物においてもRMSの拡大は認められなかった。次年度は(1)損傷領域をさらに広げる(2)グリア細胞も障害する(イボテン酸は神経細胞のみを障害するため)実験を試みる計画である。
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Research Products
(1 results)