1999 Fiscal Year Annual Research Report
細胞骨格の核内蛋白アンター機能とp53依存性細胞死に対する抑制作用
Project/Area Number |
11670008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西尾 康二 名古屋大学, 医学部, 助手 (60252235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辰巳 仁史 名古屋大学, 医学部, 助教授 (20171720)
刀根 重信 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (70211399)
井上 晃 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (50109857)
本多 たかし 名古屋大学, 医学部, 助手 (20165608)
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Keywords | 細胞骨格 / ビメンチン / p53 / 細胞死 / アンカー機能 / 核移行反応 / 機能ドメイン解析 |
Research Abstract |
野生型及び変異型p53蛋白のビメンチン細胞骨格へのアンカー機能ドメインを解析した。蛍光蛋白質EGFPとp53蛋白のキメラ発現ベクターをビメンチン発現細胞、及びビメンチン遺伝子のノックアウト細胞に発現させ、蛍光p53蛋白質の核移行反応と細胞骨格へのアンカーリングの動態を観察した。蛍光変異型p53はビメンチン発現細胞では細胞骨格にアンカーし、ビメンチン遺伝子ノックアウト細胞では変異型p53は核内へ移行した。この結果から変異型p53蛋白の細胞質局在はビメンチン依存性であり、ビメンチン細胞骨格へのアンカーリングが分子生物学的に証明できた。野生型p53蛋白の一部も細胞質に存在してビメンチン細胞骨格にアンカーされることも明らかとなった。従って老化細胞のようにビメンチンを過剰に発現する細胞では、過剰合成されたp53蛋白質がビメンチン細胞骨格にアンカーされ、p53分子の核内移行反応やp53依存性細胞死が阻害されると推測される。C末及びN末のドメインを欠損させた野生型及び変異型p53と蛍光蛋白のキメラ分子の発現ベクターを構築し、これを用いてビメンチン発現細胞における核移行とビメンチンへのアンカーリングを解析した。その結果、ビメンチンへのアンカー機能ドメインがp53分子のN末側40アミノ酸のドメイン及びC末側の63アミノ酸のドメインから構成されることが明らかとなった。この両ドメインは相互作用を介してビメンチンにアンカーすると推測された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Tsunekawa,N: "The Hsp70 homelog gene, Hsc70t, is expressed under translational control during mouse spermiogenesis"Molecular Reproduction and Development. 52. 383-391 (1999)