2000 Fiscal Year Annual Research Report
細胞骨格の核内蛋白アンカー機能とp53依存性細胞死に対する抑制作用
Project/Area Number |
11670008
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
西尾 康二 名古屋大学, 医学部, 助手 (60252235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辰己 仁史 名古屋大学, 医学部, 助教授 (20171720)
刀祢 重信 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (70211399)
井上 晃 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (50109857)
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Keywords | 細胞骨格 / ビメンチン / p53 / 細胞死 / アンカー機能 / 核内移行反応 / 機能ドメイン解析 |
Research Abstract |
此れまでの研究によりp53及びS1蛋白質のビメンチンへのアンカーリング機能ドメインを決定した。変異型及び野生型p53の細胞骨格局在のビメンチン依存性、及びp53分子のC末63アミノ酸とN末40アミノ酸のドメインの関与を明らかにした。S1蛋白質C2のC末ドメインC47(47アミノ酸)はその核内移行に必須であった。今回、新たにp53C末ドメインの核外移行シグナルの関与を明らかにした。 本年度においては、DNA結合ドメインにおける種々の変異型p53のビメンチンアンカーリング機能と核外移行を中心に解析した。正常機能のClass I変異型(R175C)と細胞死不能のClass II変異型(R175S)p53のGFPキメラは顕著な核内局在を示した。Class III変異(V143A,R175D,R175F,R175Y,R249S)はG1期停止及び細胞死ともに不能である。Class IIIの変異型p53-GFPの多くは細胞質にアンカーされた。変異型P53(R249S)のN末とC末ドメインの欠損変異はその核内移行を促進した。 p53のC末100アミノ酸のドメインAP1のGFPキメラは、Cos7細胞やHeLa細胞においては核内に顕著に局在したが、著明な細胞死を生じなかった。従ってC末のAP1ドメインのみでは細胞死の誘導に不十分であり、p53蛋白のN末ドメインも細胞死に関与することが示唆された。核外移行シグナルの変異型p53-NES(L348,350A)のGFPキメラは核内に強く局在し、特に若い細胞において顕著な細胞死を生じさせた。即ちNESの変異によるp53の核外移行阻害は細胞死を強く誘導すると考えられる。しかし老化細胞ではp53-NESの細胞質局在が顕著で、アポトーシスは僅かであった。p53の核外移行及びビメンチンへのアンカーリングがp53依存性細胞死の抑制に関与することが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tsunekawa,N: "The Hsp70 homolog gene Hsc70,is expressed under translational control during mouse spermiogenesis."Molecular Reproduction and Development. 52. 383-391 (1999)
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[Publications] Kusakabe T.: "Isolation of replication cue elements from a library of bent DNAs of Aspergillus oryzae"Molecular Biology Reports. 27. 13-19 (2000)
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[Publications] Tone S: "Quantitation of mRNA using in vitro RNA amplification and Northern hybridization"Analytical Biochemistry. 284. 420-422 (2000)
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[Publications] Yamamoto N: "Inhibition of Thyroid Hormone Binding to the Nuclear Receptor by Mobilization of Free Fatty Acids."Hormone and Metabolic Research (2001). (in press). (2001)