2001 Fiscal Year Annual Research Report
Yeast two hybrid法による分泌顆粒への蛋白選別輸送機構の解析
Project/Area Number |
11670011
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
渡部 剛 旭川医科大学, 医学部, 教授 (80220903)
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Keywords | クロモグラニン / セレクトグラニン / 分泌顆粒 / 選別輸送機構 / Yeast two hybrid法 / 内分泌細胞 / 免疫組織化学 / ラット |
Research Abstract |
グラニン蛋白群と総称される一群の酸性分泌蛋白は内分泌細胞に特異的に発現し、分泌顆粒の形成やペプチドホルモンの選別輸送に関与することが示唆されている。本研究では、代表的なグラニン蛋白であるクロモグラニンA(CgA)に結合し、その分泌顆粒への選択的輸送に関係する分子をYeast two hybrid systemを用いて探索した。 その結果、CgAと結合する蛋白として、やはりグラニン蛋白群に属するセクレトグラニンIII(SgIII)が同定された。この両者間の相互作用の特異性に関しては、Yeast two hybrid systemおよびGST融合蛋白を利用した結合実験で確認され、CgAのアミノ酸残基48-111位とSgIIIのアミノ酸残基214-373位の領域が両者の結合に関与していることが明らかになった。さらに、この相互作用がトランスゴルジネットワーク(TGN)の内部環境を模した弱酸性・カルシウム存在下で増強することから、CgAとSgIIIの複合体形成が生理的な条件で起こることが示唆された。そこで、SgIIIに対する特異抗体を作成し、その細胞内局在を免疫組織化学法によって検討したところ、ラット下垂体前葉の性腺刺激ホルモン産生細胞などの内分泌細胞の分泌顆粒で両者が共存することが観察された。さらに、内分泌組織由来の培養細胞におけるCgAやSgIIIの様々な部分欠失変異体の細胞内局在や分泌動態の解析から、CgAが分泌顆粒に正しく輸送されるためには、このSgIIIとの複合体形成が必要不可欠であることも示された。 以上の結果から、内分泌細胞のTGNから分泌顆粒にかけての内腔側でふたつの異なるグラニン蛋白、CgAとSgIIIが、複合体を形成することが初めて示され、この複合体形成は分泌顆粒への蛋白選別輸送に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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