2000 Fiscal Year Annual Research Report
細胞の機能的分化の調節を反映する遺伝子転写調節因子の分子組織細胞化学的解析
Project/Area Number |
11670014
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
和泉 伸一 長崎大学, 医学部, 助手 (40264246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進 正志 長崎大学, 医学部, 助手 (80145226)
小路 武彦 長崎大学, 医学部, 教授 (30170179)
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Keywords | 転写因子 / 核 / プロラクチン / Pit-1 / Southwestern / 分化 / 胎盤 / 遺伝子 |
Research Abstract |
本研究では、細胞の機能的分化は転写調節因子の分布の差を反映するのかを明らかにすることである。われわれは、ラット胎盤の絨毛膜においてプロラクチン・ファミリー蛋白を産生する細胞への機能的分化と、プロラクチン・ファミリー蛋白の遺伝子発現を促進させる転写調節因子(pit-1)の核内分布との間に強い関係があることを、主に光学顕微鏡レベルの分子組織細胞化学的方法および免疫組織化学法により示唆してきた。12年度では、細胞内で転写調節因子Pit-1を人為的に増減させて調節することにより、細胞の機能的分化を調節することが可能かをラットおよびヒトの培養細胞を用いて明らかにする予定であったが、遺伝子導入装置の不備により、、転写調節因子の核内での存在状態と核内の構造およびクロマチンとの関係を詳細に理解することを目的として超微細形態的にそれらの関係を解析することを試みた。ラット胎盤および下垂体の組織切片において、電子顕微鏡レベルのSouthwestern histochemistry (SWH)法および免疫組織化学法を施行した。その結果、胎盤絨毛膜の細胞および下垂体前葉の細胞において、免疫組織化学法では転写調節因子Pit-1蛋白は細胞質リボゾームと核の正・異染色質いずれにも点状に局在していたが、SWH法ではPit-1は核の正染色質にのみ点状に局在していた。またSWH法でPit-1が正染色質に局在する細胞が、それぞれプロラクチン・ファミリー蛋白陽性の絨毛膜細胞およびプロラクチン陽性の前葉細胞であった。したがって、細胞の機能的分化には、転写され得る状態にある遺伝子DNAが存在する正染色質部位に活性型の転写調節因子が分布することが必要であると示唆された。培養細胞の核内に、合成核酸プローブないし抗体を他の導入法による導入する条件は検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shin-ichi Izumi, et al.: "Localization in situ of specific RNA by light and electron microscopy"Italian Journal of Anatomy and Embryology. 105(in print). (2000)
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[Publications] Shin-ichi Izumi, et al.: "Co-localization of nuclear Pit-1, a prolactin gene transcription factor, and cytoplasmic prolactin family proteins in differentiated trophoblasts"Chinese Journal of Histochemistry and Cytochemistry. 9(Suppl). 144 (2000)
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[Publications] Shin-ichi Izumi, et al.: "Electronmicroscopic histochemistry analysis on subcellular localization of a prolaction gene transcription factor, Pit-1, in the rat placenta"Acta Anatomica Nipponica. 75(1). 102 (2000)
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[Publications] 和泉伸一 他: "ラット胎盤におけるPit-1の発現とプロラクチン関連遺伝子の転写調節:電顕的サウスウェスタン組織化学の応用"日本臨床電子顕微鏡学会誌. 33(Suppl). S88 (2000)
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[Publications] Masashi Shin, et al.: "Expression of cAMP responsive element binding protein (CREB) in regenerating rat livers after partial hepatectomy"Acta Anatomica Nipponica. 75(1). 138 (2000)
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[Publications] 菱川善隆 他: "マウス精巣におけるestrogen receptor(ER)発現の免疫組織化学的および分子組織化学的検討"解剖学雑誌. 75(1). 142 (2000)