2000 Fiscal Year Annual Research Report
ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ情報伝達系と細胞周期マシナリーとの分子連関
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11670035
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
多久和 典子 金沢大学, 医学部, 助手 (70150290)
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Keywords | ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ / 細胞周期 / サイクリン / 低分子量G蛋白質 |
Research Abstract |
平成12年度において以下の成果が得られた。 1.70kDaS6キナーゼは、現在、PI3キナーゼの増殖に対する促進効果を仲介する最も重要なエフェクター分子と考えられているが、S6キナーゼがサイクリンD1発現に関与しているか否かを、特異的阻害剤rapamucinを用いて検討した。その結果、成長因子で刺激していない細胞において野生型PI3キナーゼを発現させた場合のサイクリンD1誘導はrapamycinで完全に抑制されるのに対し、成長因子で刺激した場合のサイクリンD1誘導はrapamycinでほとんど抑制されず、S6キナーゼのサイクリンD1発現への関与が細胞の状況に依存していることが明らかとなった。 2.PI3キナーゼからサイクリンD1発現への経路に、PI3キナーゼの下流においてRas-MEK-ERK系の関与が存在するか否かを、Ras,MEK,ERKの優性不活型変異体発現ベクターのトランスフェクションやMEK阻害剤(PD98059)を用いて検討した。その結果、Ras-MEK-ERK系はPI3キナーゼの下流ではなく、これと平行して活性化されることがサイクリンD1発現に必要であることが明らかとなった。 3.PI3キナーゼによるサイクリンD1発現誘導にCキナーゼ(PKC)アイソフォーム、PKB/AktやRac-JNK系が関与しているか否かを、各々の優性不活型変異体を用いて検討した結果、これらの関与を強力に示唆する所見は得られなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Okamoto, et al.: "Inhibitory regulation of Rac activation, membrane ruffling and cell migration by sphingosine-1-phosphate receptor EDG5, but not EDG1〜EDG3."Mol.Cell.Biol.. 20(24). 9247-9261 (2000)
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[Publications] H.Mitsui, et al.: "The MEKI-ERK-MAP Kinase pathway and the PI 3-kinase-Akt pathway independently mediate anti-apoptotic Signals in HepG2 Qiver cancer cells."Int.J.Cancer. (in press). (2001)
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[Publications] N.Takuwa, et al.: "Regulation of cell cycle molecules by the Ras effector system."Mol.Cell.Endocrinol.. (in press). (2001)
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[Publications] Y.Takuwa, et al.: "Subtype-specific, differential activities of the EDG family receptors for sphingosine-1-phosphate, a novel lysophospholipid mediator"Mol.Cell.Endocrinol.. (in press). (2001)