1999 Fiscal Year Annual Research Report
乳腺分泌上皮細胞におけるカルシウム反応と容量性カルシウム流入の役割
Project/Area Number |
11670042
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
古家 喜四夫 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (40132740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 浩一 島根医科大学, 医学部, 助手 (70112125)
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Keywords | 細胞内カルシウム / 乳腺 / 容量性カルシウム流入 / ミトコンドリア / 小胞体 / 上皮性増殖因子 / カルシウム輸送 / 乳汁分泌 |
Research Abstract |
乳腺分泌上皮細胞におけるカルシウム反応の機序と役割を探るため、培養した乳腺分泌上皮細胞を用い、細胞内カルシウム反応、各種細胞内小器官の可視化を行った。 乳腺細胞の増殖、分化はホルモンのみによってコントロールされており、上皮細胞増殖因子(EGF)は細胞の増殖を、インスリン、プロラクチン、コーチゾル(IFP)は細胞の分化、ミルクの合成分泌を促す。それぞれのホルモン処理細胞での細胞内カルシウム反応及び容量性カルシウム流入の大きさを比較した。その結果、EGF処理細胞において容量性カルシウム流入量がIFPあるいはコントロールの細胞に比較して明らかな増大が見られた。一方、カルシウム反応の大きさ自体に大きな変動は見られなかった。また妊娠日数による容量性カルシウムの変化を測定したところ、EGFが多く分泌され、細胞が増殖している妊娠初期において最大で、妊娠日数が進むとともに急激に低下していくことが明らかとなった。これらのことは容量性カルシウム流入による細胞内カルシウム増加が細胞の増殖と関わっていることを強く示唆している。 乳腺細胞における細胞内カルシウム反応は基本的に細胞内ストアである小胞体からの遊離によっているが、細胞内及び小胞体内のカルシウム変化にはミトコンドリア内のカルシウムも関与していることが示唆されている。小胞体、ミトコンドリア間のカルシウムを介した相互作用を明らかにするため、それぞれに特異的な色素を用いて細胞内小器官を可視化し、各種条件変化による形態変化を観測した。また、小胞体内のカルシウム濃度変化を直接測定し、小胞体のカルシウム遊離機構を探るため、細胞膜にイオン透過性を持たせたPermeabilized cellsを作成した。更に次年度はGFPを用いた小器官の特異染色とカルシウム測定を併用し細胞内小器官、カルシウム流入経路、カルシウム反応の関係を明らかにする予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Miyata S,Furuya K,Nakai S,Bun H and Kiyohara T: "Morphological Plasticity and rearrangement of cytoskeletons in pituicytes cultured from adult rat neurohypophysis"Neuroscience Research. 33. 299-306 (1999)
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[Publications] Nakai S,Furuya K,Miyata S and Kiyohara T: "Intracellular Ca^<2+> responses to nucleotides, peptides, amines, amino acids and prostaglandins in cultured pituicytes from adult rat neurohypophysis"Neuroscience Letters. 266. 185-188 (1999)
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[Publications] Ichikawa J,Furuya K,Miyata S,Nakashima T and Kiyohara T: "Developmental changes in capacitative Ca^<2+> entry in mouse mammary epithelial cells"Cell Biochemistry and Function. (in Press). (2000)
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[Publications] Sugita M,Hirono C,Furuya K,Yamagishi S,Kanno Y and Shiba Y: "cAMP-dependent potentiation of the Ca^<2+> -activated release of the anionic fluorescent dye, calcein, from rat parotid acinar cells"European Journal of Pharmacology. (in Press). (2000)