2000 Fiscal Year Annual Research Report
心筋CFTRクロライドチャネルによる細胞容量及び細胞質溶質濃度調節機能の解析
Project/Area Number |
11670046
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Research Institution | Saga Medical School |
Principal Investigator |
穎原 嗣尚 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50037446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 太朗 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (10304883)
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Keywords | 心筋細胞 / Na-K-2Cl cotransporter / K-Cl cotransporter / CFTR / 細胞容積 / furosemide / bumetanide |
Research Abstract |
心筋におけるcation-anion cotransporterによる細胞容積調節 CCDカメラで撮影した細胞像をコンピュータで高速処理し、細胞輪郭の占める面積を経時的連続的に算出する方法により、モルモット心室筋細胞容積の変化を迅速に観測し、次のような成果を得た。 低Na液または低Cl液を作用させるとわずかに細胞容積が減少することが見出された。bumetanide(10μM)またはfurosemide(2mM)を作用させても同様な細胞の縮小がみられたが、これらの利尿薬の存在下では低Na液は細胞縮小効果を示さなかったので、利尿薬感受性のNa-K-2Cl cotransporter(NKCC)が細胞容積調節に関与していると考えられた。しかし、bumetanide存在下においても低Cl液は細胞縮小効果を示したので、bumetanide非感受性であってNKCCとは異なるanion-transporterも細胞容積調節に関与すると考えられた。高K液中でアドレナリンを作用させるとCFTR電流の活性化にともなって細胞容積が増加(膨化)するが、この系を用いて上記のCl依存性の細胞縮小機構を調べた。膨化した細胞は低Cl液中で縮小したが、この縮小はfurosemideで抑制され、bumetanideでは抑制されなかった。いっぽう、膨化した細胞は高K液を低K高NaCl液または低K高NMDG-Cl液に置換しても縮小したので、Na非依存性でK依存性の細胞縮小機構が存在することがわかった。低K液による細胞縮小もfurosemideで抑制され、bumetanideでは抑制されなかった。これらの現象はCl依存性K依存性furosemide感受性bumetanide非感受性のtransporter、すなわちK-Cl cotransporter(KCC)の作動を仮定することによって統一的に説明できる。 以上、心筋においてNKCCとKCCが細胞容積調節に関わっていることが示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yamamoto,S.: "Changes in cell volume induced by activation of the cyclic AMP-dependent chloride channel in guinea-pig cardliac myocytes."Jpn.J.Physiol.. 51. 31-41 (2001)
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[Publications] Yamamoto,S.: "Na-K-2Cl and K-Cl cotransporters are involved in cell-volume regulation in cardiac cells"Jpn.J.Physiol.. 50(Suppl). S63 (2000)
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[Publications] Yan,D-H.: "Inhibitory effect of bicarbonate ions on the cardiac CFTR Cl current."Jpn.J.Physiol.. 50(Suppl). S70 (2000)