2000 Fiscal Year Annual Research Report
腎尿細管イオンチャネルの制御機構ならびに発現調節に関与する細胞内因子の解明
Project/Area Number |
11670049
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
久保川 学 岩手医科大学, 医学部, 教授 (70153327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 順子 岩手医科大学, 医学部, 助手 (40316352)
中村 一芳 岩手医科大学, 医学部, 助手 (50237385)
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Keywords | 腎尿細管 / 膜電位 / イオン輸送 / ATP / K^+ channel / 細胞内pH / 蛋白質リン酸化 / 蛋白質脱リン酸化 |
Research Abstract |
腎尿細管における水・イオン輸送にはそれぞれの尿細管セグメントに存在するイオンチャネルが大きく関与している。これらのイオンチャネルのうち、数種類のものがクローニングされ、それぞれの分子構造や制御機構に関する報告がなされている。しかしながら、実際に尿細管に存在するイオンチャネルの調節機序は、その細胞膜の特性に左右されることも知られている。本研究では、種々の動物ならびにヒト尿細管細胞を用いて、とくに近位尿細管におけるKチャネルの制御機構とともに、管腔側でのNa/H交換機構の調節と膜電位との関係について研究を行なってきた。まず、オポッサム腎近位尿細管細胞を用いた研究では、膜電位形成に重要な役割を果たすATP依存性Kチャネルが蛋白リン酸化のみならず、脱リン酸化によっても調節されることを直接的に証明した(Kubokawa,et al.,Jpn.J.Physiol.,2000)。また、食用蛙灌流近位尿細管を用いた研究にて、管腔側膜のNa/H交換機構が膜電位変化によっても調節されることを見いだした(Kubota,et al.,Bull.Osaka Med.Coll.,1999)。最近では、正常ヒト近位尿細管細胞を用いて、その細胞膜に存在するKチャネルの研究を行なっており、現在まで、膜電位形成に重要な役割を果たすと考えられる内向き整流性KチャネルがATP、蛋白リン酸化、および細胞内pHによって調節されることを見いだしている(Nakamura,et al.,投稿中)。さらに、ヒト近位尿細管にはATPによって抑制されるCa^<2+>依存性Kチャネルが存在することも見いだしている(Hirano,et al.,投稿中)。以上より、腎近位尿細管に存在するKチャネルの多くは細胞内ATPなどのエネルギー代謝と密接な関係にあり、それぞれ尿細管イオン輸送に寄与しているものと考えられた。
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[Publications] 久保川学: "腎尿細管K^+チャネルの生理学的役割とその制御機構"岩手医学雑誌. 51巻1号. 1-14 (1999)
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[Publications] Kubota,T., et al.: "Dissociation of cross-talk between Na^+/H^+ exchanger and peritubular Na^+-HCO_3 cotransport after peritubular acid loading in bullfrog proximal tubules"Bulletin of the Osaka Medical College. 45巻1号. 27-35 (1999)
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[Publications] Kubokawa,M., et al.: "Regulation of inwardly rectifying K^+ channel in cultured opossum proximal tubule cells by protein phosphatases 1 and 2A"The Japanese Journal of Physiology. 50巻2号. 249-256 (2000)
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[Publications] Nakaya,S., et al.: "Effects of high potssium intake on aldosterone and electrolytes in blood and urine in rats"The Journal of The Iwate Medical Association. 52巻5号. 373-382 (2000)
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[Publications] Kubokawa,M.(分筆出版): "Control and Diseases of Sodium Dependent Transport Proteins and Ion Channels"Suketa,Y., et al., Elsevier Science. 440 (2000)