1999 Fiscal Year Annual Research Report
心筋A_1受容体のupregulationとATP感受性Kチャネルとの共役機構
Project/Area Number |
11670051
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
國分 眞一郎 日本大学, 医学部, 教授 (20153520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 恭一 日本大学, 医学部, 助手 (90187922)
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Keywords | A1受容体 / アデノシン / ATP感受性カリウムチャネル / 心筋虚血 / クローニング |
Research Abstract |
アデノシンは各種臓器においてさまざまな生理的効果を示すが、本研究では、作業仮説として、心筋虚血時にはA_1受容体の発現が短時間のうちに増加し、その結果、細胞内Caの増加を防ぐとともに、この受容体と共役しているATP感受性カリウムチャネル(K_<ATP>)が活性化し、虚血時の過度の脱分極をも防ぐという概念を立てた。この作業仮説を証明するため、本年度はまずA_1受容体の遺伝子のクローニングラットならびにヒト心筋を用いて行い、成功した(accession number:AB001089(rat),AB004662(human))。これらの遺伝子を用いたアフリカツメガエルの卵母細胞を用いての発現実験により生理的特性を確認したところ、ジブチル(db)cAMPでの細胞内cAMP濃度の上昇に対してアデノシンはなんら影響を与えなかったが、イソプロテレノール投与による細胞内cAMP濃度の上昇をアデノシンの濃度依存性に有意に抑制した。また、同様にアフリカツメガエルを用いて、A_1受容体とK_<ATP>チャネルの共発現系でアデノシンによるA_1受容体を介するK_<ATP>の修飾機構を解明しようと試みた。しかしながら、現在までのところどちらも単独発現では卵母細胞表面への十分な発現が見られるが、両者の同時注入による共発現実験では、どちらのたんばくも卵母細胞表面への発現が充分得られていない。この原因は明らかでないが、現在それぞれの遺伝子を単独で別個に注入する場合と結合させて注入する場合両者間においても発現に大きな差が無く、共発現は成功していない。現在この原因を究明すると同時に、心筋虚血モデルによるA_1受容体発現量の変化の検討にも着手している。
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