1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11670059
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
紫藤 治 島根医科大学, 医学部, 教授 (40175386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 宏 島根医科大学, 医学部, 助手 (20304280)
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Keywords | 暑熱適応 / 温度馴化 / 暑熱曝露 / ストレス / 核心温 / 体温調節 / 慨日リズム |
Research Abstract |
本年度は一日のうち一定の時間帯に限った暑熱曝露に対する時間記憶の形成について、その時間記憶形成に必要な暑熱曝露時間を検討した。ウイスター系雄ラットを環境温24℃、明暗周期12:12時間(1500時点灯)に設定した動物室で飼育した。ペントバルビタール麻酔下、ラットの腹腔内に温度測定用のテレメトリー送信機を植え込んだ。10日間の回復期間の後、実験を開始した。暗期の中間点(0900時)より、飼育室内温を24℃から32℃に約30分間で上昇させ、その高温環境を維持することで暑熱曝露とした。高温環境の維持時間は1時間30分、3時間あるいは5時間とした。その後、それぞれ1100時、1230時、1430時より、飼育室内温を32℃から24℃に約30分間で戻した。暑熱曝露期間は連続10日間とし、暑熱曝露期間以外は飼育室内温を24℃に保った。対照群は10日間の暑熱曝露期間中、24℃の一定環境温で飼育した。暑熱曝露開始2日前より曝露後5日まで腹腔内温と自発行動量を150秒毎に測定した。 いずれの条件で暑熱した場合でも、腹腔内温の日内変動パターンが変化した。暑熱曝露が1日5時間の群では、かつての暑熱負荷時間帯に一致して腹腔内温が下降した。この腹腔内温の低下は、暑熱曝露期間終了後3〜4日間継続した。しかし、1日1時間30分あるいは3時間暑熱曝露された群では、かつて暑熱曝露されていた時間帯ではなく、暑熱曝露開始時間前の数時間のみ腹腔内温が低下した。このanticipatoryな体温下降は暑熱曝露終了後1〜2日間継続した。以上のように、ラットの体温調節機構には一日一定時間帯に限った暑熱負荷に対する時間記憶が形成され、この記憶に従って核心温が低下することが確認されたが、その変化は暑熱を負荷する時間に依存して大きく異なることが判明した。
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Research Products
(1 results)