2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11670061
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Research Institution | Fukui Medical University |
Principal Investigator |
本田 和正 福井医科大学, 医学部, 助教授 (50143946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 和巳 福井医科大学, 医学部, 助手 (80270958)
村田 拓也 福井医科大学, 医学部, 助手 (70281186)
樋口 隆 福井医科大学, 医学部, 教授 (70106326)
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Keywords | 射乳反射 / オキシトシン細胞 / バゾプレッシン細胞 / 視索上核 / 背内側核 / 視床下部 / ラット |
Research Abstract |
本研究は乳汁射出反射の視床下部内求心路、特に背内側から視索上核への両側性投射の有無とそれがオキシトシン細胞の突発性発射活動に果たす役割を明らかにするために計画した。前年度は背内側核の電気刺激に対する視索上核オキシトシン細胞の応答を解析し、一側のオキシトシン細胞が両側の背内側核から投射を受けている事実を明らかにした。本年度は両側視索上核に投射する背内側核ニューロンの探索とそれらが射乳反射に関連する発火活動の変化を示すか否かを調べた。 ウレタン麻酔下の授乳期ラットを用い、一側の背内側核の単一ニューロン活動を記録して、このニューロンが両側の視索上核に投射しているか否かを解析した。16匹のラットにおいて同側の視索上核に投射している40個の背内側核ニューロンを記録した。このうち4個は反対側の視索上核にも投射していた。また反対側の視索上核にのみ投射しているニューロンが4個記録された。これらのニューロンのうち25個で射乳反射時の発火活動を記録できた。その結果、射乳反射に先立って起こるオキシトシン細胞のバースト発射と類似した活動変化を示すニューロンが反対側の視索上核に投射する群で1個存在した。また、このニューロンは吸乳刺激によって基礎発火頻度も増加させた。また、両側投射群2個および同側投射群1個で射乳反射に先立って発火頻度が低下した。対側投射群1個において吸乳刺激は基礎発火頻度を抑制した。以上の結果から、視床下部背内側核は、一側の吸乳刺激の情報を両側のオキシトシン細胞に伝達しており、射乳反射時の両側オキシトシン細胞の突発性発射活動の同期化に関与していることが示唆された。
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