2000 Fiscal Year Annual Research Report
インスリンの抵抗性の発現抑制、改善における身体トレーニングの果たす役割
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11670066
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 祐造 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (80022870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山之内 国男 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (60135366)
大澤 功 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助教授 (10223786)
押田 芳治 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助教授 (10169295)
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Keywords | インスリンクランプ法 / インスリン抵抗性 / 身体トレーニング / aging / 一酸化窒素(NO) / アデノシン |
Research Abstract |
1.Human Study 肥満はインスリン抵抗性を惹起させるが、身体トレーニングはインスリン抵抗性を改善させる。そこで、今回は肥満や全身性持久能力とミトコンドリア遺伝子(Mt)多型との関係について検討を加えた。 1)Mt5178Cを有する肥満者のBMIはMt5178Aを有する肥満者に比して有意に大であった(31.9±3.0vs30.2±2.2kg/m^2P<0.05)。したがって、Mt5178多型がBMIを規定する遺伝要因の一つと考えられた。 2)ATP合成酵素をコードしているMt8794の多型(C→T)に関して、全身性持久能力が優れた者に、高頻度に認められ、上記多型と持久性運動能力との関連性が示唆された。 2.Animal study Agingや食餌(高果糖食、高脂肪食)により誘発されたインスリン抵抗性に対して、身体トレーニングの改善メカニズムやautocrineの果たす役割について検索した。 1)agingにより、インスリンシグナル系の重要な蛋白であるIRS-1やPI-3キナーゼのmRNAの発現量並びに蛋白量の低下が防止され、インスリン感受性は保持される。 2)高果糖食誘発インスリン抵抗性に対して一酸化窒素(NO)の供給が有効であったが、高脂肪食誘発インスリン抵抗性に対してはNOの供給は無効であった。しかし、アデノシンの投与により一部改善された。 3)身体トレーニングによって増大したインスリン感受性は、NO合成酵素阻害剤の投与によりトレーニング効果は消失した。 以上の事実は、インスリンシグナル系とautocrineであるNOおよびアデノシンとに相互関連があることを示唆している。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] M.Nagasaki et al: "Exercise training prevents maturation-induced decreases in insulin receptor substrate-1 and phoshatidylinositol 3-kinase in rat skeletal muscle."Metabolism. 49(7). 1-7 (2000)
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[Publications] C.Nakao et al: "Effects of swimming training on three superoxide dismutase isoenzymes in mouse tissues."J.Appl.Physiol. 88(2). 649-654 (2000)
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[Publications] Y.Yanagimoto Y et al: "Effects of walking on bone quality as determined by ultrasound in the elderly."Scand.J.Med.Sci.Sports. 10. 103-108 (2000)
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[Publications] 李玲 他: "一酸化窒素(NO)のインスリン作用発現に果たす役割-euglycemic clamp法を用いた検討-"糖尿病. 43(4). 301-306 (2000)
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[Publications] Y.Oshida et al: "Nitric oxide decreases insulin resistance induced by high-fructose feeding."Hormone and Metabolic Research. 32. 339-342 (2000)
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[Publications] M.Xu et al: "The α-ketoisocaproate catabolism in human and rat livers."Biochemical and Biophysical Research Communication. 276. 1080-1084 (2000)
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[Publications] 佐藤祐造: "変貌する生活習慣病-糖尿病・高脂血症・高血圧・肥満-(編著 片山茂裕)"メディカルレビュー社. 87-95 (2000)
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[Publications] 佐藤祐造,押田芳治: "糖尿病療養指導士のための糖尿病の生活指導ガイドライン(編集梶沼宏他)"金原出版. 51-56 (2000)