2000 Fiscal Year Annual Research Report
PURエレメントに結合するPurαとカルモデュリンによる結合促進作用の解析
Project/Area Number |
11670087
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
郭 哲輝 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50126570)
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Keywords | モルヒネ / Purα / DNA結合蛋白 / 複製 / 転写 / カルパイン / カルモデュリン / カルシウム |
Research Abstract |
モルヒネ反復使用が痛みに対し耐性を形成し、精神的・肉体的依存を形成するが、そのメカニズムについては不明な点が多い。我々は、1)神経細胞株のNG-108-15やマウスをモルヒネ処理すると、これら核抽出物と一本鎖CRE DNAとの結合活性が低下すること、2)一本鎖CRE DNA結合蛋白が、Purαであること、3)PurαのDNAへの結合を増強する内在性因子がカルモデュリン(CaM)であること、4)Purαを強制発現させたPC12細胞は、神経突起伸展を引き起こすNerve growth factor(NGF)やフォルスコリン存在下で培養しても、その突起伸展とCRE-レポーター遺伝子発現の活性が抑制されることを報告した。 これら実験過程で、強制発現させたPurαが細胞質に多量に分布している事に気がついた。EGFP-Purαの強制発現、マウス脳Purαの分布を細胞下分画で検討した。NG-108-15細胞に発現させたPurαは、核内よりも細胞質に多く分布しており、一部はドット状を示すことから膜との結合型の存在様式が考えられた。細胞下分画とウエスタンの解析からは、可溶性分画とマイクロソーム分画は、核抽出分画のPurα含有値に比べもっと高い値を示した。可溶性分画をCaイオン存在下で処理すると、42kDaのPurαが38kDaになることがわかった。また、42kDaのPurαの38kDaへの変換は、カルシウム依存性カルパインによる消化・切断であることなどがわかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S-Y.Niu,C-H.Kuo,E.Taira et al.: "Inhibition by naloxone of promoter activity of the neurofilament gene in SK-N-SH cells."Jpn.J.Pharmacol.. 82. 34-39 (2000)
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[Publications] T.Sadakata,C-h.Kuo, et al.: "Pur, a single-stranded DNA binding protein, suppresses the enhancer activity of cAMP response element (CRE)."Mol.Brain Res.. 77. 47-54 (2000)
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[Publications] S-Y.Nui,C-H.Kuo, et al.: "Increase of calmodulin III gene expression by Oopioid receptor stimulation in PC12 cells."Jpn.J.Pharmacol.. 84. 412-417 (2000)
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[Publications] 郭哲輝,入江康至,三木直正: "依存薬物による遺伝子の発現と依存形成の分子機構"蛋白質 核酸 酵素. 45. 355-361 (2000)