• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

1999 Fiscal Year Annual Research Report

心筋細胞内クロライドイオン濃度変化のメカニズムの解析とその生理学的意義

Research Project

Project/Area Number 11670095
Research InstitutionKumamoto University

Principal Investigator

頼中 方一  熊本大学, 医学部, 助手 (90244110)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 西 勝英  熊本大学, 医学部, 教授 (00040220)
Keywords細胞内クロライド濃度 / クロライド感受性蛍光染料 / ミトコンドリアアンカップラ / CCP / DNP / MQAE / DIDS / ブメタニド
Research Abstract

最近、我々は心筋虚血時に細胞内クロライドイオン濃度([Cl^-]_i)が急激的に上昇し、この虚血による誘導された[Cl^-]_iの増加が、細胞外クロライドイオンの除去あるいは細胞膜に存在しているCl^--HCO^-_3交換系の活性化の遮断による有意的に軽減されることを報告した。しかし、いままで、その心筋虚血の際に[Cl^-]_i増加に関する詳細的な細胞内機序はまだ不明である。一方、心筋細胞のミトコンドリアの量は細胞の全体積の23%を占めている。心筋細胞の活動が好気的代謝に大きく依存していることは以前から知られている。近年もパッチクランプと分子生物学手技の応用により、心筋細胞ミトコンドリアにおけるいくつかのクロライドチャンネルが存在し、[Cl^-]_iの調節に対して重要な役割を演じていると報告された。従って、今年度に、我々は、急性単離したモルモット心室筋細胞を用い、ミトコンドリアアンカップラであるカルボニルシアニドm-クロロフェニルヒドラゾン(CCP)と2,4-ジニトロフェノール(DNP)の投与により誘導される[Cl^-]_i変化を観察した。[Cl^-]_iの測定はクロライドイオン感受性の蛍光染料であるN-ethoxycarbonylmethyl-6-methoxy-quinolinium bromideを利用し、ARGUS-50イメージシステムを用いて行った。正常タイロード液(37゜C)で灌流する条件下に、細胞内クロライドイオン濃度は約24.8±1.7mMであった。この[Cl^-]_iは細胞外クロライドイオンの除去とスチルベン酸誘導体あるいはNa^+-K^+-Cl^-トランスポートの遮断薬であるブメタニドの投与により有意に減少した。アンカップラであるCCPを投与すると、低濃度(1μM)の場合は一過性的な[Cl^-]_iの上昇を誘導したか、高濃度(>10μM)の場合では持続的な[Cl^-]_iの増加が見られた。類似的に、DNPは50μMの濃度から[Cl^-]_iの増加を誘導したか、最大反応は1mMの時になった。一方、我々は更に、CCP,DNPの投与による誘導された[Cl^-]_iの増加に対して、細胞外クロライドイオンの除去及びスチルベン酸誘導体とブメタニドあるいはクロライドチャンネルブロッカーの投与など処理の効果を検討した。
結果より、急性単離したモルモット心室筋細胞における、ミトコンドリアアンカップラの投与は、心筋細胞代謝の抑制と共に、細胞内クロライドイオン濃度の増加を生じることが認められ、虚血期間に心筋細胞の代謝抑制は細胞内クロライドイオン濃度の増加に対して重要な役割を演じる可能性があると示唆された。

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] 頼 仲方、et al: "ヒトジャーカットT細胞活性化により誘導される細胞内クロライドイオン濃度の変動"日本薬理雑誌. 113(3). 70 (1999)

  • [Publications] Lai Z.F.and Nishi K.: "Extracellular ATP induced increases in intracellular Cl^- concentrations in guinea pig ventricular muscle."Jap.J.Pharmacol.. 82(Suppl I). 196 (2000)

  • [Publications] 頼 仲方、西 勝英: "ミトコンドリアアンカップラによるモルモット心室筋細胞内クロライドイオン濃度の増加"日本薬理雑誌. 115(3). 75 (2000)

URL: 

Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi