1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11670104
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
竹尾 聰 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00136722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 教夫 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (50318193)
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Keywords | アセチルコリン / 脳血管性痴呆症 / 神経回路再生 / マイクロスフェア塞栓 / シナプトフィジン / GAP-43 / MAP-2 / コリンアセチルトランスフェラーゼ |
Research Abstract |
本年度は,先ずマイクロスフェア塞栓による多発梗塞モデルに記億・学習機能の悪化とアセチルコリン系神経伝達機能の低下が共存しているかを検討した.water maze法およびpassive avoidance法で検討した記憶・学習機能は,マイクロスフェア塞栓で著しく低下した.脳大脳皮質,海馬、線条体でのACh量は低下した.また,ChAT活性も同様に低下した.M1受容体の量も減少した.これらの結果はAChの生合成の阻害が推測された.しかし,M1受容体mRNAは大脳皮質で塞栓後1時間目で若干の増大はあるものの、他部位での変化はほとんど関連がなかったため,受容体の生合成は発現していないと推測された.以上の結果はマイクロスフェア塞栓で発生する脳虚血障害は記憶・学習能の低下をもたらし,その原因の一部はACh系作動障害が伴っていることを示唆している.この病態下で発生する神経回路再生の可能性を追究するべく,先ず,神経障害がpre-synapseあるいはpost-synapseで起こっているかを決定するため,それぞれのマーカーであるsynaptophysinおよびmicrotubular associated protein-2(MAP-2)の上記三部位での存在を確かめたところ,各部位のMAP-2には変化がなかったものの,synaptophysinは減少した.しかし,免疫組織学的検索では梗塞巣周縁ではsynaptophysin陽性細胞が増加した.この事実は梗塞巣周縁に存在する障害を免れたニュ、ロンでは新たな神経突起が発芽している可能性を示した.
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