1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11670126
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
藤原 和子 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (20108880)
|
Keywords | リポ酸 / リポ酸活性化酵素 / リポ酸転移酵素 / リポ酸-蛋白リガーゼ / 酵素精製 / 大量発現 |
Research Abstract |
リポ酸はピルビン酸,α-ケトグルタル酸および分岐鎖ケト酸脱水素酵素複合体のアシルトランスフェラーゼサブユニット(E2),およびグリシン開裂酵素系のH蛋白に補欠分子族として結合している.動物組織においてリポ酸がこれらの酵素に結合するには,まずリポ酸活性化酵素によってリポ酸がlipoyl-AMPとなり,次にリポ酸転移酵素によってリポイル部分がアポ蛋白に転移される.本年度はウシ肝臓ミトコンドリアからリポ酸活性化酵素をDEAE-Sepharose,hydroxylapatite,Blue-Sepharose,Superdex pg200のカラムクロマトグラフィーによってほぼ単一に精製した.精製酵素はリポ酸とMgATPからlipoyl-AMPを生成し,その生成物にアポH蛋白とリポ酸転移酵素を加える事によってH蛋白をリポイル化することができた.リポ酸活性化酵素の活性はlipoyl-AMPをhydroxamateとして測定すると活性が約1000倍高く測定されるので反応機構について更に詳しく調べる必要がある. ウシH蛋白は大腸菌中で発現させるとH蛋白の約10%しかリポイル化されない.そこでウシH蛋白のホロ型を大量に調製する目的でウシH蛋白(BH)とウシのリポ酸転移酵素(BLT)あるいは大腸菌のリポ酸-蛋白リガーゼ(LplA)とを大腸菌中で共発現させた.その結果,BH-BLTの系,BH-LplAの系のいずれもnondenaturing-PAGEで分析した場合は全てホロ型になっていたが,HPLCで詳しく分析するとBH-BLTの系ではアポ型-4%,リポイル化型-69%,オクタノイル化型-27%となり,BH-LplAの系ではアポ型-3%,リポイル化型-94%,オクタノイル化型-3%という結果を得,BLTとLplAとの機能的相違点が再確認された.そしてBH-LplAの系から効率よくホロ型H蛋白を精製することができた.
|