1999 Fiscal Year Annual Research Report
分子細胞生物学的手法による糖尿病でのインスリン分泌不全機構の解明
Project/Area Number |
11670148
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
永松 信哉 杏林大学, 医学部, 助教授 (80231489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 均 杏林大学, 医学部, 教授 (80212893)
渡邊 卓 杏林大学, 医学部, 助教授 (00191768)
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Keywords | インスリン分泌 / Exocytosis / 糖尿病 / SNARE / Ca^<2+> |
Research Abstract |
我が国での糖尿病患者の大多数はインスリンひ依存型(type2)であり、この型の糖尿病病態の特徴は、ブドウ糖に対する膵β細胞よりのインスリン分泌の選択的障害にある。従って、このインスリン分泌不全のメカニズムを解明することが糖尿病の発症機構を解明する上で重要な課題である。一方、膵β細胞からのインスリン分泌は、Ca^<2+>上昇によって引き起こされるがこの過程の最終段階、つまりインスリン分泌顆粒の細胞膜とのdocking/fusion過程がインスリン開口放出制御機構において重要な役割を果たしており、この機構は、SNARE蛋白質群によって構築されていることが明らかとなっている。本年度はヒト2型糖尿病の動物モデルである自然発症糖尿病動物GKラットにおけるこれらのSNARE遺伝子の発現、及びインスリン分泌不全との関連について検討した。 GKラットラ氏島においてSyntaxin 1A、SNAP-25の蛋白発現(Western blot及び免疫組織染色)が、controlの約半分にまで低下していた。この発現低下はラ氏島に特異的であったことから糖尿病発症との関連が強く示唆された。そこでこれらの遺伝子をAdenovirus vectorに組み込み、GKラットラ氏島に感染させ、低下した発現レベルを正常までに回復させ、インスリン分泌能を検討したところインスリン分泌能を部分的に回復させることに成功した。以上、SNAREと糖尿病の発症との関連を明らかにし、更に新しい遺伝死徴の糸口をつかむことが出来た。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nagamatsu S,他: "Decreased expression of t-SNAREs,Syntaxin 1 and SNAP-25,in pancreatic β-cells is involved in impaired insulin secretion from diabetic GK rat islets."Diabetes. 48. 2367-2373 (1999)
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[Publications] Nakamichi Y,Nagamatsu S: "α-SNAP functions in insulin exocytosis from mature,but not immature secretory granules in pancreatic β-cells."Biochem. Biophys. Res. Commun.. 260. 127-132 (1999)
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[Publications] Watanabe T,Nagamatsu S,他: "Co-localization of GLUT3 and choline acetyltransferase innunoreactivity in the rat retina,"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 256. 505-511 (1999)
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[Publications] Nagamatsu S,他: "α-soluble N-ethylmaleimide-sensitive factor attachmentprotein is expressed in pancreatic β-cells and iunctions in insulin,but γ-aminobutric acid secretion."J. Biol. Chem.. 274. 8053-8060 (1999)