2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胎児由来骨芽細胞を素材とした血管周皮細胞への分化誘導と分化関連遺伝子の同定
Project/Area Number |
11670181
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
池田 建 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40202890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 英樹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00295346)
澤田 典均 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30154149)
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Keywords | 骨芽細胞 / 血管周皮細胞 / 平滑筋アクチン / 分化機能 |
Research Abstract |
1 ヒト胎児由来骨芽細胞株(SV-HFO)を用いた血管周皮細胞への分化誘導 SV-HFOにおけるα平滑筋アクチン(αSMA)及びカルポニンの発現を検討した.培養開始直後よりαSMA陽性細胞が出現しており,陽性細胞数は培養日数とともに増加した.カルポニン陽性細胞はαSMA陽性細胞より多く,培養開始後4日目でほぼ全ての細胞がカルポニンを発現した.αSMA陽性細胞がより多く認められた培養条件は,α-MEM培養液(>DMEM),低細胞密度培養,グリセロールリン酸添加であった.培養基質としてのファイブロネクチンおよびラミニンは,コラーゲンタイプIと同等の効果にとどまった.TGFβ添加により一過性にαSMA陽性細胞の増加を認めた.TGFβ添加によるαSMA陽性細胞数は培養開始後4日目が最大で,8日目には無添加コントロール群と同程度に減少した.レチノイン酸添加によりαSMA陽性細胞数は抑制された. SV-HFOは,これまで報告された培養血管周皮細胞と良く似たphenotypeを示すことが明らかになった.さらに,スタンダードな培養条件で多くのαSMA/カルポニン陽性細胞が観察されたこと,石灰化を抑制するレチノイン酸が同時にαSMA発現をも抑制したことは重要な知見である.SV-HFOにおいては,骨芽細胞としての分化機能の発現機構と血管周皮細胞としてのそれとが密接にリンクしている可能性を示唆するからである.培養内皮細胞とのco-cultureを含む基礎的検討を継続中である. 2 SV-HFOにおける遺伝子発現プロファイリング(継続中) デキサメタゾン添加前後で,遺伝子の発現パタンの変化をDNAチップにより解析する.骨芽細胞と血管周皮細胞に共通した,あるいはおのおのに固有の遺伝子発現調節機構を抽出するのが目的である.設備等の遅れによって現在なお継続中である.
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