1999 Fiscal Year Annual Research Report
抗癌剤耐性機序における熱ショック蛋白とapotosis pathwayとの関連性の解明
Project/Area Number |
11670182
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
福田 剛明 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (20199235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿原 敏夫 新潟大学, 医学部・小児科, 助手 (70262433)
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Keywords | 抗癌剤耐性 / 熱ショック蛋白 / アポトーシス / anti-sense / 免疫抑制剤 |
Research Abstract |
抗癌剤耐性獲得に伴って熱ショック蛋白(HSP)の発現が高まることを見出し、しかも細胞内での発現のlocationも関連があることを示してきた。今回の検索ではまず、HSP27の発現が増強している抗癌剤耐性ヒト白血病細胞株およびヒト唾液腺細胞株においてHSP27のantisense oligonucleotideを加えて培養したところ、部分的ではあるが抗癌剤耐性の程度が解除されることを観察した。しかし、同時に数種のHSPを発現している抗癌剤耐性株ではその結果は著明ではなく、むしろFK506やcyclosporinAのような免疫制御剤でHSPsのmRNAの発現の低下が見られ、抗癌剤耐性の部分的解除やapoptosis誘導が容易になった。興味あることはFK506やcyclosporinAの添加によりbcl-xLのmRNAの発現が同時に現弱することが観察され、このことがapoptosis誘導を容易にする理由の一つと考えられる。ただし、現在のところこれらの薬剤がどのようにしてHSPsやbcl-xLのmRNAの発現を抑制しているのかは不明であり、今後更にその作用点の解明を進める予定である。一方、耐性になる抗癌剤の種類とHSPsの発現あるいは発現のlocationに関してはいまだ明らかな関連性は確定できず、さらに検索が必要である。
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