2000 Fiscal Year Annual Research Report
原因不明の間質性肺炎の発生機序解明(ヘルマンスキー・パドラック症候群をモデルとして)
Project/Area Number |
11670184
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中谷 行雄 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助教授 (20137037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 正二 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80264604)
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Keywords | 間質性肺炎 / ヘルマンスキー・パドラック症候群 / II型肺胞上皮 / epマウス / アミオダロン |
Research Abstract |
1.ヒトHermansky-Pudlak症候群(HPS)マウスモデルのepマウスを飼育し、生後より3ヶ月までの肺組織像を光顕的、電顕的に観察した。光顕では生後4週より2型肺胞上皮の泡沫状腫大/変性が出現し、以後顕著になった。電顕では生後8日の組織で2型肺胞上皮の胞体内に巨大層状小体を認め、以後その大きさと数が増した(giant lamellar body degeneration;GLBD)。この変化はヒトHPS関連間質性肺炎(HPSIP)の2型肺胞上皮変化と同一であった。この新知見よりHPSIPの発生機序解明にepマウスが良いモデルとなることが示唆された。現在のところ、炎症細胞浸潤を伴う胞隔炎はみられず、更に長期の観察中である。 2.間質性肺炎誘発実験としてアミオダロン400mg/kg/day、6週経口投与したepマウス肺で、肺胞中隔に単核球浸潤を伴う胞隔炎を認めた。更に長期の観察中である。 3.HPS1遺伝子よりできる1.5kb cDNAのカルボキシ末端23アミノ酸残基同一ペプチド鎖を合成してウサギポリクローナル抗体(HPS1/ep抗体)を作成した。HPS1/ep抗体及びSpritz博士より供与の抗HPSタンパク抗体(hHPS5)を用い、ヒト・マウス組織での同タンパクの局在を免疫組織化学的に調べた。同タンパク抗原は肺胞マクロファージ、腎尿細管上皮、メラノーマ細胞などの胞体に特に強い陽性を呈し、HPS1/ep抗体では2型肺胞上皮も陽性であった。HPSIP肺、epマウス肺でも肺胞マクロファージや2型肺胞上皮細胞が強陽性となった。epマウス肺では2型肺胞上皮の胞体内の泡沫状小空胞の輪郭が強調されて染色された。HPSタンパクが2型肺胞上皮にも局在し、その機能異常がGLBDを起こしている可能性が示唆された。免疫電顕、共焦点レーザー顕微鏡により、更に同抗原の細胞内局在を検討する準備中である。
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Research Products
(1 results)