2000 Fiscal Year Annual Research Report
NOD/SCIDマウスを用いたヒトがん浸潤・転移モデルの確立とその分子機構の解明
Project/Area Number |
11670193
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山田 健人 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (60230463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦 順一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051614)
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Keywords | NOD / SCIDマウス / 浸潤・転移 / ヒト血管新生 / 白血病 / 癌 / レトロウィルスベクター |
Research Abstract |
本研究は、免疫不全マウス(NOD/SCIDマウス)を用いることによって、ヒト癌の転移モデルを確立し、癌の浸潤・転移の分子機構の解明と治療法の開発を目的とするものある。まずNOD/SCIDマウス皮下へ2ヶ所にヒト骨を移植後、ヒト癌細胞を片方の骨へ移植することで、もう一方の骨への転移するヒト癌転移のモデルを確立した。このモデルを用いて血管新生抑制分子の生体内でのヒト血管新生に対する効果を検討したところ、インテグリンaVb3に対する中和抗体およびTNP470が有意な転移の阻害効果を示したが、その効果はインテグリンaVb3に対する中和抗体がより強力であった。次に、これまで異種移植が困難であったヒト骨髄性白血病の浸潤モデルを確立し、ヒト骨移植NOD/SCIDマウスへヒト骨髄性白血病細胞を移植することで、白血病浸潤とともに移植骨髄内で血管新生が惹起されることを見出した。現在、この血管新生の白血病の進展における意義を明らかにするために、インテグリンaVb3に対する中和抗体やAngiopoietin-1受容体Tekの細胞外領域を免疫グロブリンFcと融合させた発現ベクター(Tek-Fc)の遺伝子導入を試みている。最後に、生体内ヒト血管内皮細胞への遺伝子導入法の開発を目的に、ヒト骨移植NOD/SCIDマウスにおけるヒト血管内皮細胞を標的にした遺伝子導入法の開発を試みた。今回、新たに開発したLTRをプロモーターとしたベクターにより、in vitroでの初代培養ヒト骨髄内皮細胞、脂肪細胞への遺伝子導入率は95%に達した。現在、これらの遺伝子導入細胞をヒト骨移植NOD/SCIDマウスへ移植し、長期間にわたるマーカー遺伝子発現を検討している。
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