2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11670200
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
古田 耕 産業医科大学, 産業保健学部, 助教授 (50312161)
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Keywords | stomach cancer / colorectal cancer / pancreas cancer / LAMP |
Research Abstract |
平成12年度、私達は、リソゾーム膜蛋白(LAMP-1およびLAMP-2)の癌化における役割を明らかにする目的で、同蛋白の癌原発巣および転移巣における発現を、5例のヒト胃癌、7例のヒト大腸癌、および7例のヒト膵癌を用いて検討した。方法としては、CCD cameraを装備した光学顕微鏡を用いて、computerによる免疫染色の定量的な画像解析を行った。その結果、検索しえた異なる3種類の癌において、リソゾーム膜蛋白は、原発巣および転移巣にかかわらず、癌部において非癌部に対して有意に強く発現していることを明らかにしえた。しかし、その発現の程度において原発巣と転移巣において明らかな差は認められなかった。さらに、このリソゾーム膜蛋白分子の発現をRNA levelでも確認するために、若干例のヒト胃癌、ヒト大腸癌、およびヒト膵癌の新鮮凍結標本を用いて、Northern Blotを行った。その結果、リソゾーム膜蛋白分子は、RNA levelでも癌部において非癌部に対して強く発現していることを明らかにしえた。ただし、このRNA levelの検索は、転移巣よりの新鮮凍結標本が入手できなかったので、原発巣でのみ行った。以上より、リソゾーム膜蛋白分子(LAMP-1およびLAMP-2)は、癌化になんらかの関係を有することが強く推測される。 本年度までの研究では、癌転移に関する検索がまだ不十分であるので、来年度は、RNA levelでの検索を癌転移に関しても行い、最終的にリソゾーム膜蛋白(LAMP-1およびLAMP-2)の癌化および転移における役割を朗らかしたい。
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