1999 Fiscal Year Annual Research Report
マウス骨髄腫MOPC70ACTL認識腫瘍拒絶抗原の同定と免疫応答機構の解析
Project/Area Number |
11670216
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
上中 明子 岡山大学, 医学部, 助手 (50273967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 俊朗 岡山大学, 医学部, 助手 (50185641)
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Keywords | マウス骨髄腫MOPC-70A / 細胞傷害性T細胞(CTL) / 発現クローニング / 抗原遺伝子 / 標的エピトープ / 抗原提示分子 |
Research Abstract |
1. CTLの反応特異性と抗原提示分子の解析 マウス骨髄腫MOPC-70A担癌BALB/cマウス脾細胞より樹立した細胞傷害性T細胞(CTL)バルク株、および、CTLクローンの反応特異性の解析から、これらのCTLは、調べた骨髄細胞、脾細胞、リンパ節細胞などの正常細胞や、他の骨髄腫、白血病など種々の腫瘍細胞とは反応せずMOPC-70A特異的に反応することが判明した。 2. 発現クローニング法による抗原遺伝子のクローニングとその塩基配列の決定 MOPC-70AmRNAからcDNAライブラリーを作製し、マウスH-2遺伝子を導入したCOS7細胞に形質導入し、発現クローニング法によるスクリーニングを行った。その結果、MOPC-70A特異的CTLクローンE10を活性化し、TNFおよび、IFN-γの産生を誘導するクローンを得た。また、得られた遺伝子の塩基配列の解析から、抗原遺伝子はアポトーシス誘導因子(AIF)であることが判明した。 3. CTL標的エピトープの検索 抗原遺伝子の塩基配列をもとに欠質遺伝子(deletion mutant)を作成し、それらを、COS7細胞に形質導入し発現させ、CTLクローンE10の活性化を指標に標的エピトープをコードする遺伝子の領域しぼり込みを行った。その結果をもとに、各種の推測されるペプチドを合成し、COS7細胞への感作試験を行い、10個のアミノ酸DLGPDVGYEAからなるペプチドが標的エピトープとなっていることを明らかにした。 4. 抗原提示分子の検索 標的エピトープはCOS7細胞上にも提示されることがわかり、現在、COS7細胞およびMOPC-70A細胞の抗原提示分子を検索中である。
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[Publications] Ishii, T., et al.: "Isolation of MHC class I-restricted tumor antigen peptide and its precursors associated with heat shock proteins hsp70, hsp90 and gp96"J. Immunol.. 162. 1303-1309 (1999)
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[Publications] Matsuo, M., et al.: "Expression of multiple unique rejection antigens on murine leukemia BALB/c RL♂1 and the role of dominant Akt antigen for tumor escape"J. Immunol.. 162. 6420-6425 (1999)
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[Publications] Tanino, M., et al.: "Transforming activity of the RL-akt gene, a c-akt gene activated by long terminal repeat insertion in murine leukemia RL♂1 cells"Molecular Carcinogenesis. 26. 286-297 (1999)