1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11670226
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
池田 栄二 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (30232177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 保典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00115221)
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Keywords | 脳血管 / 血液脳関門 / VEGF / 個体発生 |
Research Abstract |
Quail(ウズラ)およびchick(ニワトリ)胎児を用いた我々の研究により、血液脳関門(blood-brain barrier;以下、BBB)は胎児脳細胞の産生する因子の影響下に誘導されることが明らかにされた。さらに個体発生後期の胎児脳細胞において、血管透過性調節因子であるVEGFの発現isoformパターンが変化することを見いだした。特に、isoform VEGF_<146>とVEGF_<190>の発現誘導がBBB形成に関与している可能性が示唆された。そこで、VEGF_<146>とVEGF_<190>発現誘導の機能的意義を明らかにするため、他のisoform(VEGF_<122>、VEGF_<166>)には存在せず、VEGF_<146>とVEGF_<190>に特異的に存在する配列(exon 6)をタ一ゲットとしたオリゴヌクレオチドを作製、quail胎児に投与し、BBB誘導に対する影響の検索を試みた。漿尿膜よりの投与あるいは胎児脳への直接投与を行ったが、現在、オリゴヌクレオチドを胎児脳組織内へ効率よく到達させる方法につき検討中である。また、胎児脳細胞より産生される未知のBBB誘導因子についても単離を試みている。まず、脳血管内皮細胞間におけるtight junctionをはじめとしたjunctional complexの形成に焦点をあて、経時的に胎児脳血管に対する超微形態学的検索を行った結果、胎生13〜14日頃にjunctional complexの形成が誘導されることが明らかになった。我々は、BBB誘導に関与する因子は、この形態学的変化に先だって誘導されるものであると考え、胎生8日と胎生15日の間で発現変化のみられる因子の特定を行っている。現在、各々の時期の胎児脳組織よりRNAを抽出しcDNAlibraryを作製中である。
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