1999 Fiscal Year Annual Research Report
TGF-βによる角化細胞の増殖抑制シグナルとがんにおけるその異常に関する研究
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11670232
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
加藤 光保 財団法人 癌研究会, 癌研究所・生化学部, 研究員 (20194855)
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Keywords | SMAD / トランスフォーミング増殖因子 / 癌 / 増殖抑制 / 浸潤 |
Research Abstract |
(1)SMADによるc-myc発現抑制の機序 ヒトc-myc遺伝子のプロモーター領域を組み込んだルシフェラーゼレポーターを作成し、c-mycプロモーター内のTGF-β反応領域を同定した。TGF-βのシグナル伝達分子であるSmad3とSmad4が直接結合する部位がこの領域内に2ヵ所存在し、そのうち1ヵ所に変異を入れるとTGF-βに対する反応性が消失した。 (2)扁平上皮癌細胞株におけるc-myc発現調節異常の責任分子の検索 (1)で同定したSMAD反応領域を組み込んだルシフェラーゼレポーターを作成したところ、角化細胞株ではTGF-βによる転写の抑制反応がみられたが、扁平上皮癌細胞株TE-2ではSMADを介する他の標的遺伝子の反応が残っているにもかかわらず、この領域を介する転写調節反応が消失していることを見い出した。 (3)扁平上皮癌細胞株の浸潤性増殖能に関する検討 扁平上皮癌細胞株の浸潤性増殖能を検出する3次元培養法を確立し、この培養法における食道癌細胞株の浸潤が、線維芽細胞に由来するMMP-2の癌細胞表面における活性化に依存していることを示した。 (4)変異Smad3の導入による浸潤性増殖能獲得の機序 優勢抑制変異を導入したSmad3(Smad3D407E)を発現させたヒト角化細胞株HaCaTが浸潤性増殖能を獲得することに関与するSMADの標的遺伝子を同定することを目的として、浸潤能を獲得したSmad3D407E発現細胞とコントロール細胞の間で発現レベルの変化した遺伝子をDNAチップを用いてスクリーニングした。約5,600種類のヒト遺伝子のうち71遺伝子、約35,000種類のヒトESTのうち225クローンがsort scoreで3倍以上の変化を示した。これらの遺伝子群と以前にノザンブロッティング法・サザンブロッティング法で発現レベルが変化していることを確認していた遺伝子について、3次元培養による浸潤への関与の有無の検討を開始した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ishida W.et al.: "Smad6 is a Smad1/5-insduced Smad Inhibitor"The Journal of Biological Chemistry. 275(9). 6075-6079 (2000)
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[Publications] Mamura M.et al.: "Ligation of the T cell receptor complex results in phosphorylation of Smad2 in T lymphocytes"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 268. 124-127 (2000)
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[Publications] Fujii M.et al.: "Roles of bone morphogenetic protein type I receptors and Smad proteins in osteoblast and chondroblast differentiation"Mol.Biol.Cell. 10. 3801-3813 (1999)
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[Publications] Kawabata M.et al.: "Intracellular signaling of the TGF-β superfamily by Smad proteins"Ann.NY Acad.Sci.. 886. 73-82 (1999)