1999 Fiscal Year Annual Research Report
ライム病ボレリアスフィンゴ糖脂質結合蛋白質の病原学的機能解析とワクチン開発
Project/Area Number |
11670267
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
増澤 俊幸 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (10181645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 正紀 静岡県立大学, 薬学部, 助手 (00295560)
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Keywords | ライム病 / ボレリア / 細胞接着 / ガラクトシルセラミド / Borrelia burgdorferi / スフィンゴ糖脂質 / GAPDH / ワクチン |
Research Abstract |
Borrelia burgdorferi 297株のグリセルアルデヒド-3-リン酸-デヒドロゲナーゼ(GAPDH)の配列に基づき特異的プライマーを設計した。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により特異的増幅産物を得、これをpGEM-Tベクターに連結し、大腸菌JM109に形質転換した。形質転換体より再度GAPDH遺伝子を切り出し、マルトース結合蛋白質発現ベクターpMAL下流に連結し、融合タンパク質として発現させた。予想通り約80kDaの蛋白の発現確認した。この発現蛋白質は膜ブロット法により、ビオチン化ガラクトシルセラミドと反応した。また、TLC上でのガラクトシルセラミドとボレリア菌体より抽出して得た37kDaガラクトシルセラミド結合蛋白質(Gbp37)との結合を特異的に阻害し、遺伝子組換え融合タンパク質の作製に成功した。現在、この融合タンパク質の精製と免疫抗血清の作製を進めている。今後、本蛋白質をマウスに免役し、実験的ボレリア感染に対する防御活性、さらにはボレリア菌体上における本蛋白質の分布を免疫電子顕微鏡法を用いて検討する予定である。また、本蛋白質とガラクトシルセラミドをはじめとするスフィンゴ糖脂質との結合をsurface plasmon resonance(SPR)assayにより検討したい。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Masuzawa,T.et al.: "Determination of members of a Borrelia afzelii-related group isolated from Ixodes nipponensis in Korea as Borrelia valaisiana"Int.J.Syst.Bacteriol.. 49. 1409-1416 (1999)
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[Publications] 増澤俊幸: "ライム病の診断"感染症と化学療法. 4. 37-45 (1999)
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[Publications] 増澤俊幸: "特集 振興・再興感染症「ライム病」"CURRENT THERAPY. 17. 331-334 (1999)
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[Publications] 増澤俊幸: "感染症とその治療-新しい視点から-(I)細菌感染症「日本におけるライム病」"最新医学. 54. 733-740 (1999)
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[Publications] Ishiguro,F.et al.: "Prevalence of Lyme disease Borrelia spp.In ticks from migratory birds on the Japanese mainland"Appl.Environ.Microbiol.,. 66(印刷中). (2000)
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[Publications] 増澤俊幸: "感染症診断・治療ガイドライン,日本医師会雑誌 増刊"医学書院(東京). 176-179 (1999)
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[Publications] 柳原保武,増澤俊幸: "ライム病ボレリア.細菌学(竹田美文,林 英生 編集)"朝倉書店(東京)(印刷中). (2000)