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2000 Fiscal Year Annual Research Report

異物排出ポンプ外膜成分は新しい構造をもつチャンネルファミリーを形成するという発見

Research Project

Project/Area Number 11670275
Research InstitutionTokai University

Principal Investigator

良原 栄策  東海大学, 医学部, 助教授 (70167063)

Keywords緑膿菌 / 多剤耐性 / 薬剤排出ポンプ / OprM / 膜トポロジー / α-ヘリックス / トポロジー決定法 / マルトポーリン
Research Abstract

緑膿菌は日和見感染、院内感染の主要起因菌である。本菌は高度な多剤耐性をもつので、その感染症の治療は困難で、大きな問題となっている。このような多剤耐性をもたらすのが薬剤排出ポンプである。緑膿菌には現在まで4種のポンプ系の存在が知られているが、その中で最も重要な排出ポンプがMexAB-OprMポンプである。この三成分系ポンプの中で、OprMは外膜に存在し、チャンネルを形成していることをこれまでに明らかにしてきた。外膜でチャンネルをつくるタンパク質としてポーリンが最も知られている。ポーリンはβバレル構造をとっているので、OprMも似た構造をとっているのではないかと予想した。その二次構造をCDで調べたところ、驚いたことに主にα-へリックスからなるタンパクであることがわかった。さらにOprMのホモログである大腸菌のTolCを精製しその二次構造を調べたところ、やはりα-へリックスからなるタンパクであることが示された。その後に、KoronakisらによってTolCの結晶構造が解明され、おもにαヘリックスからなることが確かめられた。さらにチャンネル-トンネル構造と呼ばれる非常にユニークな構造をもつタンパク質であることも明らかにされた。一方OprMの膜トポロジーおよび立体構造はいまだ解明されていない。OprMチャンネルの開閉制御やMexABとのタンパク間相互作用を調べるには膜トポロジーの知見が非常に重要である。ところが外膜タンパク質の膜トポロジーを決める方法は数少なくて、その中でも比較的使われているエピトープマッピング法でさえ、膜トポロジーの全体像を明らかにするのは非常にむつかしい。そこでこの難点を克服できる膜タンパク質トポロジーの新たな決定法の開発にとりくんだ。そこで考案したのが、従来のin vivo法とは異なり、再構成系を用いたin vitro法である。この方法の一番の利点は原理的にいかなる膜タンパクにも応用できるので、これまで膜トポロジーを実験的に決めるのがほとんど不可能であった細胞内オルガネラに存在する膜タンパクもその範に入る。この方法では、まず目的とする膜タンパクの様々な部位にCys残基を導入しそれをリポソームに再構成する。Cys残基が細胞外ループにあれば化学標識される。そしてプロテアーゼによって細胞外ループが切断される時、分解産物が標識される。一方細胞内ループにCys残基がある時は、非分解産物が標識される。この方法を大腸菌のマルトポーリンに応用して膜トポロジーを調べた結果、本方法が有効であることが確認された。

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Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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