2000 Fiscal Year Annual Research Report
フラビウイルスの非構造蛋白質NS3のもつATPase依存性ヘリカーゼに関する研究
Project/Area Number |
11670299
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Research Institution | Institute of Tropical Medicine, Nagasaki University |
Principal Investigator |
五十嵐 章 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (40029773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 博之 国立感染症研究所, ウイルス第2部, 厚生技官 (90270644)
長谷部 太 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (20253693)
森田 公一 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (40182240)
只野 昌之 琉球大学, 医学部, 助教授 (80179712)
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Keywords | JEV / NS3 protein / RNA belicase / ATPase |
Research Abstract |
昨年度の研究で、JEVのNS3蛋白質を大腸菌の蛋白発現系を応用して単離精製し、nucleoside triphosphatase(NTPase)活性及びRNAヘリカーゼ活性についてその至適反応条件の検討を行った。また、JEVのSF2スーパーファミリー・RNAヘリカーゼ・アミノ酸モチーフII(DExH)の1番目(Asp)、2番目(Glu)及び3番目(Ala)のアミノ酸部位の役割について解析を行った。今年度は、JEV NS3蛋白質のもつRNA結合活性、ATPase活性及びRNAヘリカーゼ活性における同アミノ酸モチーフIIの4番目(His)部位の役割についてより詳細な検討を行った。これまでの研究でJEVのDEAHモチーフのAspとGluはATPase及びRNAヘリカーゼ活性に必須であるがRNA結合活性には関与せず、AlaはRNAヘリカーゼのみに必須であることが明らかとなった。また、今年度の研究で、His部位はRNAヘリカーゼ活性には必須な配列であるが、ATPase活性においては必須ではないが最適なアミノ酸であることが判明した。ほとんどの変異蛋白質においてRNA結合活性の減少が認められたが、消失まで至らなかったことからHis部位はRNA結合活性に何らかの形で関与するものの、必須でないことが明らかとなった。ATPase活性が維持され、尚且つRNA結合が示された変異蛋白質でRNAヘリカーゼ活性が消失したことから、RNAヘリカーゼ活性の消失はRNA結合またはATPase活性の消失によるものではないことが明らかとなり、このことから、これらの3つの活性機能はそれぞれ異なるアミノ酸またはモチーフによって制御されていることが示唆された。JEVのRNAヘリカーゼの解析は他のフラビウイルスの複製・増殖機構の理解につながり、最終的にRNAヘリカーゼ特異的阻害剤などの治療薬の開発への応用も期待される。
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Research Products
(1 results)